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就労ビザの退職・転職届を14日以内に出し忘れたら?|期限後の届出と更新への影響

元警視庁入管法捜査員の行政書士が解説

退職・転職の届出は、14日を過ぎてもできます。まず「事実どおりの日付」で出すことが最優先です

出入国在留管理庁は、届出をしていないことが判明した場合、14日を大きく過ぎていても速やかに届け出るよう案内しています。遅れを小さく見せるために日付を変えることだけは、絶対にしないでください。期限後の手順、何年前までさかのぼるか、遅延理由書の要否、更新への影響を、公式情報に沿って整理します。

「就労ビザの退職届を出し忘れました」
「転職してから、入管への届出をしていないことに気付きました」
「何か月も過ぎていますが、今さら出すと更新で不利になりませんか」
「会社が届け出てくれたと思っていました」

結論から言えば、期限を過ぎたことを理由に届出をあきらめてはいけません。まず行うべきことは、退職日や入社日を正しい資料から確認し、未届になっている退職・転職を洗い出し、事実どおりの日付で速やかに提出することです。

ただし、期限後に出せばすべての問題が消えるわけでもありません。届出の遅れは、在留期間更新許可申請などで不利に扱われる場合があります。

私は警視庁で入管法違反事件の捜査を担当した後、入管業務を専門とする行政書士になりました。本記事では、期限後の具体的な対応に加えて、審査する側が勤務歴のどこを突き合わせ、なぜ「日付のずれ」を重く見るのかという裏側の視点も含めて解説します。

※本記事では、一般に使われる「就労ビザ」という言葉を、就労を目的とする在留資格の意味で使用します。主に「技術・人文知識・国際業務」などで会社と契約して働く方を想定しています。在留資格によって必要な届出や手続は異なりますので、個別の判断は最新の公式情報をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

目次

この記事のポイント【先に結論】

14日を過ぎていても、未届に気付いた時点で速やかに提出します。期限を過ぎたからといって、届出が不要になるわけではありません。
「前回の更新より前は調べなくてよい」といった一律の区切りはありません。届出義務の対象となる在留資格で在留していた期間について、該当する退職・転職をさかのぼって確認します。
遅延理由書は、期限後の届出すべてに必須とされている書類ではありません。先に届出を行い、遅れの長さ、回数、更新申請の状況などに応じて別途説明するか判断します。
一般企業は、ハローワークへ外国人雇用状況の届出をすれば、入管への届出が免除されます。会社が「届け出た」と言っていても、外国人本人の入管への届出義務はまったく免除されていません。
届出をしなかった場合は20万円以下の罰金、虚偽の届出をした場合は1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処せられることがあります。遅れていても、正しい日付と会社情報で提出してください。

1.14日を過ぎても届出はできる?|期限後にやるべき5つの手順

所属機関や契約機関の届出を出し忘れたときは、次の順番で対応します。

手順1 自分の在留資格と届出の種類を確認する

「技術・人文知識・国際業務」「研究」「介護」「技能」などの方は、一般に「所属(契約)機関に関する届出」の対象です。一方、「教育」「企業内転勤」「経営・管理」などでは「所属(活動)機関に関する届出」になる場合があります。

在留資格によって、届け出る対象が「契約終了・新たな契約」なのか「離脱・移籍」なのかが異なります。検索で見つけた様式をそのまま使わず、自分の在留資格に対応する公式ページを確認してください。

なお、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の方は、勤務先が変わっても所属機関等に関する届出の対象ではありません。身分・地位に基づく在留資格で、勤務先が在留資格の前提になっていないためです。ただし、配偶者の身分が在留資格の基礎になっている方(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」と、配偶者として在留する「家族滞在」)には、離婚・死別したときの「配偶者に関する届出」(入管法第19条の16第3号)が別にあります。届出の要否は、勤務先ではなく在留資格の種類で決まる、とお考えください。配偶者ビザの側の話は、配偶者が書類に協力してくれない場合にまとめています。

手順2 未届になっている出来事をすべて書き出す

退職だけではなく、次の会社との新たな契約も確認します。

たとえば、A社を退職したときの「契約終了」は提出したのに、B社へ入社したときの「新たな契約」を忘れているケースがあります。反対に、新しい会社の情報だけを届け出て、前の会社との契約終了が未届になっていることもあります。会社の名称変更、所在地変更、会社の消滅が届出対象になる在留資格もあります。

手順3 退職日・入社日・会社情報を資料で確認する

記憶だけで日付を入力せず、退職証明書、離職票、雇用契約書、労働条件通知書などを確認します。

最終出勤日と雇用契約の終了日は同じとは限りません。有給休暇を消化した場合は、最後に会社へ行った日より後に退職日が設定されていることがあります。

手順4 未届分を速やかに提出する

資料がそろうまで何週間も待つのではなく、正確な届出に必要な基本情報を確認できたら提出します。

入管庁の公式手続案内では、通常の所属(契約)機関に関する届出について、届出事項を証明する資料の提出は必要ないとされています。遅延理由書や退職証明書が完成するまで、届出そのものを止める必要はありません。

手順5 提出証拠と確認資料を一つのフォルダに保存する

提出日、届出対象となった退職・転職、受付番号、受付状況、使用した資料をまとめます。更新申請や永住申請のときに説明できる状態を作ってください。

▶ 退職後の在留資格そのものについては、こちらの記事で解説しています

関連記事:辞めた後、いつまでに動くべきか ▶
関連記事:持ち歩かないとどうなるか ▶

2.何年前の転職まで届け出る?|古い退職日・入社日を特定する方法

「3年前の転職だから、もう届出をしなくてよいですか」「前回のビザ更新が許可されているので、それ以前は問題ありませんか」。この質問に対して、「1年前まで」「前回更新後だけ」といった一律の公式基準はありません。

前回の更新が許可されても、それ以前の未届は消えない

基本的には、届出義務の対象となる在留資格で中長期在留者として在留していた期間について、届出対象となる会社の変更をすべて確認します。

前回の更新が許可されていても、それ以前の未届が自動的に治ったことにはなりません。更新申請書に新しい会社を書いたことや、会社が資料を入管へ提出したことも、外国人本人の届出の代わりにはなりません。

実務上は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  • 現在の勤務先との契約開始
  • その前の会社との契約終了
  • さらに前の会社との契約開始・終了
  • 就労ビザを取得した時点まで
  • 途中で在留資格が変わっている場合は、その期間の届出義務

退職と入社をセットで並べると、どちらか一方だけが未届になっている箇所を見つけやすくなります。

ただし、確認できていないのに同じ届出を重ねて出すことは避けてください。過去にオンラインで届け出た可能性がある場合は、電子届出システムの履歴、保存メール、郵送記録、手元の控えを先に確認します。

古い日付を確認できる資料

  • 退職証明書、離職票、解雇通知書
  • 雇用契約書、労働条件通知書、内定通知書
  • 源泉徴収票、給与明細、給与の振込記録
  • 雇用保険、健康保険、厚生年金の資格取得・喪失記録
  • 会社とのメールやメッセージ
  • 過去の在留期間更新許可申請書の控え、履歴書、職務経歴書

これらをもとに、会社の正式名称、当時の所在地、契約開始日、契約終了日、届出状況、確認に使った資料、今回の提出日を時系列表にします。

会社がすでに廃業している場合でも、会社名や所在地を想像で書いてはいけません。過去の契約書、源泉徴収票、法人番号公表サイト、登記事項証明書などから確認します。どうしても確定できない部分がある場合は、確認できた事実と確認できない部分を分け、入管や専門家へ相談してください。

3.期限後の届出はオンライン・窓口・郵送のどれがよい?|提出後に残す証拠

3つの提出方法の使い分け

提出方法 特徴と注意点
オンライン 24時間利用でき、届出履歴や処理状況を確認できます。ただし初めて利用する場合は利用者登録が必要です。登録に時間がかかるなら、オンラインにこだわって提出を遅らせないでください。
窓口 最寄りの地方出入国在留管理官署で在留カードを提示して提出します。提出用とは別に控えを用意し、受付の記録を残せるか確認してください。
郵送 届出書と在留カードの写しを同封して指定の宛先へ送ります。入管庁は、郵送の場合に受け付けた旨の連絡をしていないと案内しています。届出書の写しを保存し、追跡できる方法で発送してください。

オンライン提出後に必ず残したい証拠

  • 送信前の入力確認画面、受付完了画面
  • 受付番号や届出番号、受付完了メール
  • 届出状況参照画面
  • 入力した退職日、入社日、会社名、所在地の記録
  • 日付の根拠にした退職証明書や雇用契約書

入管庁の操作案内では、届出状況参照から過去の届出状況を確認できるものの、届出内容そのものは確認できないとされています。受付完了メールだけでは、「どの会社について、どの日付で届け出たか」を後から示せない可能性があります。

画面はPDFや画像で保存し、パソコンと安全なクラウドなど複数の場所に保管してください。

4.遅延理由書は必要?|「先に届出、あとから説明」が正しい順番

期限後の所属機関等に関する届出について、すべてのケースで「遅延理由書」という決まった書類を付けなければならないとは案内されていません。通常の届出手続では、退職証明書など届出事項を証明する資料も必須ではありません。

そのため、「立派な反省文が完成するまで届出を出さない」という順番は適切ではありません。まず未届分を提出し、その後、必要に応じて説明書を準備します。

事情説明を検討した方がよいのは、次のようなケースです。

  • 数年間にわたって未届だった
  • 複数回の退職・転職を届け出ていなかった
  • 過去にも同じ届出を遅らせている
  • 更新・変更・永住申請中に未届が分かった
  • 申請書の職歴と入管の届出記録にずれがある
  • 入管から届出漏れや勤務歴について質問された

説明書を作る場合は、感情的な謝罪を長く書くより、どの届出が遅れたのか、本来の期限、実際に届け出た日、未届に気付いた日ときっかけ、遅れた理由、気付いた後に行った対応、再発防止の方法、現在の勤務状況を簡潔に整理します。

「制度を知らなかった」「会社が行うと思っていた」という事情も、実際にそうであれば事実として記載します。ただし、それだけで本人の届出義務がなくなるわけではありません。

5.ビザ更新申請中に未届へ気付いたらどうする?

更新申請中に未届へ気付いた場合は、審査結果を待たずに対応します。

ケース1 申請前からの古い未届に気付いた

まず未届分を速やかに提出し、受付画面や受付番号などの証拠を保存します。そのうえで、遅れの期間、回数、更新申請書との関係を確認し、必要に応じて、期限後の届出を行ったことが分かる資料、退職・転職の時系列表、事情説明書、申請書の記載訂正の説明を審査中の申請へ追加します。

オンラインで更新申請をしている場合も、電子届出を出しただけで審査担当者へ事情が伝わったと考えない方が安全です。申請先の入管に、追加資料の提出方法を確認してください。

ケース2 更新申請後に退職・転職した

この場合は、14日以内の所属機関等に関する届出に加えて、更新申請時から勤務先や活動内容が変わったことも申請先へ報告します。

前の会社で働き続けることを前提に更新申請を出した後に退職したのであれば、申請の前提が変わっています。実務上、入管から活動の継続性について追加資料を求められる可能性が高く、転職活動中なら求職状況の説明、新しい会社が決まっていれば内定通知書や雇用条件書が必要になります。会社を辞めた事実を隠すことは絶対に避けてください。

ケース3 入管から未届を指摘された

指定された期限と提出方法を確認し、未届分を速やかに提出します。回答するときは、届出をした日、対象となる会社、受付番号などを明確にします。

指摘された後に別の未届が見つかることもあります。一件だけを直して終わらせず、勤務歴全体を確認してください。

▶ 入管から資料の提出を求められたときの対応は、こちらの記事で解説しています

関連記事:資料提出通知書が届いたときの対応 ▶

未届の期間と勤務歴を、一緒に整理します

何年前まで確認すべきか分からない、更新申請中に気付いた、入管から指摘された――そのままにせず、まず現在の状況をご相談ください。

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6.「会社が届け出たはず」は間違い|ハローワークと入管の届出は別物

ここが、実務でもっとも誤解の多いところです。

一般企業は、ハローワークに出せば入管への届出が免除される

外国人を雇い入れた、または離職させた事業主には、労働施策総合推進法に基づき、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を行う義務があります(特別永住者等を除く全員が対象)。届出を怠ったり虚偽の届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象になります。

届け出る人 届出先 期限
会社(雇用保険の被保険者) ハローワーク 資格取得届は翌月10日まで/資格喪失届は離職日の翌日から10日以内
会社(被保険者以外) ハローワーク 雇入れ・離職とも翌月末日まで
外国人本人 出入国在留管理庁 事由発生から14日以内

そして入管庁のQ&Aでは、入管法第19条の17に基づく所属機関からの届出について、労働施策総合推進法により外国人雇用状況を届け出なければならない事業主は対象から除かれると説明されています。つまり一般企業は、ハローワークへ出せば入管へ同じ報告をする必要がありません。

しかし、外国人本人の届出義務は免除されない

会社側の届出が免除される一方で、外国人本人が入管へ行う所属機関等に関する届出(入管法第19条の16)は、まったく免除されていません。期限も14日以内と、会社側より大幅に短く設定されています。

「会社が手続してくれたはず」という思い込みは、ここから生まれます。会社が社会保険、雇用保険、税務の手続を済ませていても、外国人本人の入管への届出が自動的に完了することはありません。

企業の人事担当者の方は、入社日や退職日に本人が届出を済ませたか確認する運用にしておくと、将来の更新不許可を防げます。

特定技能・技能実習は、会社も入管へ直接届け出る

上記は「技術・人文知識・国際業務」などの一般的な就労ビザの話です。特定技能や技能実習の場合はルールが異なり、受入れ機関も入管へ随時届出・定期届出を直接行う義務があります。登録支援機関にも届出義務があります。

このケースでは、会社と本人の双方が入管へ届け出ることになります。届出義務違反は、行政指導や受入れ停止、登録取消しにつながり得ます。

▶ 受入れ機関・登録支援機関の届出でお困りの企業の方へ

なお、2026年1月施行の行政書士法改正により、支援費や監理費に含める形で在留手続の書類を作成することは、これまで以上に危うい運用になりました。届出や申請の書類を誰が作っているか、一度ご確認ください。

関連記事:その書類作成、違法かもしれません ▶
外国人雇用の企業サポート(届出・在留管理体制の整備)を見る ▶

7.届出忘れはビザ更新にどこまで影響する?|罰則と審査での扱い

所属機関等に関する届出を忘れたからといって、それだけで必ず更新が不許可になるとは限りません。

一方で入管庁のQ&Aは、届出をしなかった場合の罰則が規定されており、在留諸申請で不利になる場合もあると明記しています。在留資格変更・在留期間更新許可のガイドラインでも、入管法に定める義務を履行していることが考慮事項に挙げられています。

罰則は、届出をしなかった場合が20万円以下の罰金、虚偽の届出をした場合が1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金です。虚偽届出により拘禁刑に処せられた場合は、退去強制事由にも該当します。

ただし、期限を過ぎた全員に直ちに罰金が科されるという意味ではありません。実際の審査では、次のような事情も含めて総合的に判断されます。

  • 届出が何日、何か月、何年遅れたか
  • 未届が一回だけか、複数回あるか
  • 入管から指摘される前に自主的に是正したか
  • 正しい日付と会社情報で届け出たか
  • 更新申請書や提出資料と説明が一致しているか
  • 現在の仕事内容が在留資格に適合しているか
  • 無職期間や資格外活動など、ほかの問題がないか

期限後に提出しても、14日以内に届け出なかった事実は消えません。しかし、未届のまま更新申請を続けるより、気付いた時点で正しく是正することが重要です。

8.元警視庁捜査員の視点|入管が見ているのは「遅れ」ではなく「つながり」

ここからは、審査する側の頭の中を説明します。入管の在留審査には、警察の捜査と共通する考え方が確かにあります。

審査官は、勤務歴を時系列で並べ直す

捜査で最初に作るのは時系列表です。入管の審査も同じで、提出された書類は一つずつ読まれるのではなく、時間軸に並べ直されます。

たとえば、更新申請書には2024年4月からB社勤務と書かれているのに、入管の記録上はA社の契約終了がなく、B社との契約開始も届け出られていない。ここに空白があれば、当然に確認が入ります。

さらに、源泉徴収票、雇用保険の記録、会社が作成した申請書、本人の職務経歴書。これらは別々の場所で作られた書類ですから、突き合わせれば食い違いが見えます。

日付を動かした瞬間、「未届」が「虚偽」に変わる

ここが最も重要な点です。

届出をしなかったことと、事実と異なる届出をしたことは、問題の重さがまったく違います。前者は20万円以下の罰金ですが、後者は1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金であり、拘禁刑に処せられれば退去強制事由にもなります。

遅れを小さく見せるために退職日を後ろにずらす。これは、軽い問題を重い問題に自分から変える行為です。しかも、雇用保険の資格喪失日や源泉徴収票と照合すれば、ずらしたことは高い確率で分かります。

悪気のない間違いでも、疑いの目で見られる

ビザ申請では、悪気なく勘違いで間違えた場合でも、審査する側は「嘘をついて何かを隠そうとしているのではないか」と考え、申請全体を疑いの目で見ます。一つ矛盾が見つかれば、それ以外の話も裏を取りにいく。この点は警察の捜査と同じです。

ですから、大切なのは「何年も前だから分からない」で終わらせないことです。確認できる資料を集め、分かる事実と分からない部分を区別して書き、過去から現在までを一本の線にして説明できる状態を作る。この順番であれば、遅れがあっても説明の信用性は保たれます。

9.期限後の届出チェックリスト

現在と過去の在留資格を確認した
契約機関・活動機関のどちらの届出か確認した
就労ビザ取得後の勤務先を時系列で並べた
各社の契約開始日と契約終了日を資料で確認した
退職と入社の両方に未届がないか確認した
正式な法人名と当時の所在地を確認した
未届分を速やかに提出した
入力内容、受付画面、受付番号を保存した
更新申請中の場合は申請先への追加説明を検討した
次回から退職日・契約開始日と14日後をカレンダーに登録した

10.よくある質問|期限後の届出と更新

Q1.派遣先だけが変わりました。転職届は必要ですか?

雇用契約を結んでいる派遣会社が同じで、派遣先だけが変わった場合は、通常、契約機関が変わったことにはなりません。ただし、雇用主そのものが変わった場合や、派遣会社の名称・所在地が変わった場合は届出が必要になる可能性があります。給与明細ではなく、雇用契約書に記載された契約の相手方を確認してください。

Q2.更新申請中に在留期限が来てしまいました。オーバーステイになりますか?

在留期限までに適法に更新申請をしていれば、オーバーステイにはなりません。入管法第21条第5項により、処分の日、または従前の在留期間の満了日から2か月を経過する日のいずれか早い日まで、従前の在留資格で在留できます。これを「特例期間」と呼びます。

期間中は従来と同じ内容で就労できます。在留カードの有効期限が切れていても在留は適法ですが、銀行や不動産の手続で説明を求められることがあるため、申請受付票を提示できるようにしておいてください。なお、審査中に出国すると特例期間による在留の前提が失われますので、結果が出るまでは出国しないことをおすすめします。

Q3.以前オンラインで出した気もしますが、証拠がありません。もう一度出すべきですか?

まず、電子届出システムの届出状況、受付メール、過去の画像、郵送記録などを確認します。確認できないまま同じ届出を重ねる前に、入管へ確認方法を問い合わせることをおすすめします。再提出する場合も、重複の可能性や過去の提出状況を説明できるようにしてください。

Q4.転職先へ入社してすぐに退職しました。短期間でも届出は必要ですか?

勤務期間が短いことだけを理由に届出が不要になるわけではありません。契約を締結し、その後に終了したのであれば、それぞれが届出対象になる可能性があります。「試用期間中だった」「数日しか働いていない」という事情だけで省略せず、契約書と在留資格を確認してください。

Q5.届出を遅れて出した後、何年間問題なく過ごせば更新への影響はなくなりますか?

「1年たてば影響しない」「次回の更新が許可されれば完全に問題がなくなる」といった一律の期間は公表されていません。遅れの長さ、回数、その後の届出状況、ほかの在留上の問題によって判断は変わります。今後は期限を守り、提出記録を継続して残すことが大切です。

11.まとめ|14日を過ぎたら「隠さず、調べて、すぐ提出」

就労ビザの退職・転職届を出し忘れた場合、最も避けるべき対応は、「もう14日を過ぎたから出しても意味がない」と考えて放置することです。

届出義務の対象となる在留資格と届出の種類を確認し、過去の退職・転職を年数で区切らず時系列で洗い出す。資料から正しい退職日・契約開始日を特定し、未届分を速やかに提出して提出証拠を保存する。更新申請中であれば、必要に応じて追加説明を行う。これが対応の基本です。

入管が14日を過ぎた転職について確認する場合、見ているのは遅れの日数だけではありません。過去から現在までの勤務歴、届出、申請書、会社資料が自然につながっているかどうかです。

退職・転職届の漏れとビザ更新が心配な方へ

次のような方は、申請や入社の前にご相談ください。

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すでに在留期間更新を申請中に、未届へ気付いた
入管から届出漏れや勤務歴について質問された
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勤務歴と届出状況を、一本の時間軸に整理します

当事務所では、元警視庁入管法捜査員としての経験をもとに、過去の勤務歴と届出状況を整理し、期限後の届出、事情説明書、在留期間更新許可申請で準備すべき資料を確認します。
入管から指摘を受ける前に、現在の状況をご相談ください。

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【法令・情報の根拠】

※本記事は2026年8月時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。届出義務の有無、在留期間更新への影響、提出すべき説明書は、在留資格や個別の事情により判断されます。法令、運用、システム、申請様式は変更されることがありますので、実際の対応にあたっては最新の公式情報をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

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この記事を書いた人

TAMAフロンティア行政書士事務所 代表

毛呂 敦(もろ あつし)

行政書士 毛呂敦 入管業務を専門とする行政書士。警視庁で約20年間勤務し、うち約10年を国際捜査官として入管法実務に従事。現場で得た知見を活かし、東京・多摩地区(ご相談場所は立川駅)を拠点に、外国人のビザ申請と企業の外国人雇用をサポートしています。
行政書士(登録番号 第26081692号)
外国人雇用管理主任者
元警視庁 国際捜査官
TOPIK(韓国語能力試験)上級
技能実習監理責任者講習 受講済



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