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ビザ更新中に在留期限が切れたら|特例期間2か月は働けるのか

元警視庁入管法捜査員の行政書士が解説

在留期限までに申請していれば、審査中も働けます。分かれ目は、その一点です

在留期間の更新を申請したのに、結果が出ないまま在留カードの期限が来てしまった。意外にも、そんなに珍しいことではありません。このとき、二つの立場から、同時に不安が生まれます。

ご本人:「私は今、オーバーステイになっているのでしょうか」
会社:「期限の切れた在留カードを持つ社員を雇い続けていて、不法就労助長罪にならないか」

先に結論を申し上げます。在留期間の満了日までに更新申請を済ませていれば、原則として、審査中も適法に日本にいられますし、これまでと同じ仕事を続けられます。この仕組みを「特例期間」といい、長くて2か月です。

ただし、この結論には大きな分かれ目があります。「満了日までに申請していたかどうか」です。1日でも遅れていれば、特例期間は始まりません。その状態で働かせれば、会社は不法就労助長罪のリスクを負います。

私は行政書士になる前、警視庁で約20年間勤務し、そのうち約10年間は入管法違反事件の捜査に従事してきました。「期限は切れているけれど、申請中だから大丈夫だと思っていた」——現場でよく聞いた言葉です。そのうち本当に大丈夫な人もいました。しかし残りは、そうではありませんでした。その分かれ目を、以下で整理します。

外国人社員の在留期限の管理や、在留カードの確認体制づくりは、外国人雇用 企業サポート(在留カード確認・期限管理・顧問)でご案内しています。更新のご依頼は就労ビザ申請サポートをご覧ください。

※本記事は2026年9月時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。個別の事案は事情によって結論が変わりますので、実際の対応にあたっては最新の公式情報をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

この記事のポイント【先に結論】

在留期間の満了日までに更新を申請していれば、審査中に在留カードの期限が過ぎても適法に在留できます。根拠は入管法20条6項(在留資格変更の規定)で、更新については21条4項がこれを準用しています。
在留できるのは、「処分がされる日」か「従前の在留期間の満了日から2か月を経過する日」のいずれか早い方までです。許可が出れば、その時点で特例期間は終わります。
特例期間中は、従前の在留資格のまま在留するという扱いです。したがって更新申請中であれば、これまでと同じ内容の就労を続けられます。会社が給与を払い続けても問題ありません。
一方、在留資格の「変更」を申請している場合は要注意です。できるのは、あくまで従前の在留資格の活動だけ。留学から就労への変更申請中であれば、フルタイム勤務はできません。
満了日までに申請していなければ、特例期間は発生しません。期限の翌日から不法残留です。ここが最大の注意点です。
在留期間が30日以下の方(出国準備の「特定活動30日」など)は、そもそも特例期間の対象から外れています。

1.特例期間とは|在留期限が切れても在留できる2か月の仕組みと入管法の根拠

特例期間の根拠条文は入管法20条6項、更新には21条4項が準用されます

在留資格の変更について定めた入管法20条6項は、おおむね次のような内容です。変更を申請した外国人は、その在留期間の満了日までに処分がされないときは、期間の満了後も、処分がされる時か、従前の在留期間の満了日から2か月を経過する日が終了する時か、いずれか早い時まで、引き続き従前の在留資格で日本に在留できる——。

そして在留期間の更新について定めた21条4項が、この規定を準用しています。つまり更新申請でも同じ扱いになる、ということです。出入国在留管理庁も「特例期間とは?」というページで、この内容を案内しています。

大事なのは、これが「お目こぼし」ではなく、法律が正面から認めた在留だという点です。審査が長引いたせいで申請人が不法残留にされてしまっては筋が通らないため、法律の方で受け皿を用意している、と理解してください。

特例期間はいつまで?|2か月の数え方と具体例

期間の数え方は、民法の期間計算に従います。在留期限の翌日から数えて2か月です。実務的には「在留カードの期限の、2か月後の同じ日付まで」と覚えておけば、ほぼ間違いありません。

在留期限が9月30日 → 特例期間は11月30日まで
在留期限が4月15日 → 特例期間は6月15日まで

ただし、月末が絡むケースは1日ずれることがありますので、締切として管理するなら余裕をもたせてください。そして、この2か月はあくまで上限です。10月20日に許可が出れば、特例期間はその日で終わり、以降は新しい在留カードの期間で在留することになります。

特例期間が「発生しない」3つのケース|ここを外すと不法残留になります

ここが本題です。次の場合、特例期間は働きません。

(1)満了日までに申請していなかった場合

申請していないのですから、そもそも保護の対象外です。期限の翌日から不法残留(入管法70条1項5号)となります。「更新するつもりだった」「書類を準備していた」は、法律上は何の意味も持ちません。

(2)在留期間が30日以下の場合

条文には「30日以下の在留期間を決定されている者を除く」という括弧書きが置かれています。更新や変更が不許可になった方に「特定活動(出国準備)」が与えられるとき、30日と31日の2種類があるのは、これが理由です。31日であれば、満了日までに次の更新・変更の申請が適法に受理されることで、特例期間の対象になり得ます。一方、30日以下では、そもそも対象から外れます。何気ない1日の差に、大きな意味があります。ただし、31日なら無条件に在留が延びるという話ではありません。前提となる条件は(1)と同じで、あくまで満了日までに申請が受理されていることです。

(3)申請が受理されていなかった場合

郵送で送ったが不備で戻された、オンラインで送信したがエラーで完了していなかった——このようなケースでは、「申請した」とは扱われません。詳しくは第4章で触れます。

2.特例期間中は働いていいのか|在留期間更新と在留資格変更で答えが違います

最も知りたいところだと思いますので、わかりやすく、はっきり書きます。

項目 【在留期間更新の申請中】 【在留資格変更の申請中】
特例期間中の立場 従前の在留資格のまま 従前の在留資格のまま
できる活動 これまでと同じ職務 従前の在留資格の活動だけ(新しい資格の活動は不可)
就労の可否 これまでと同じ内容なら可 従前の資格の範囲内のみ(例:在学中の「留学」なら資格外活動許可で週28時間以内。卒業後はこの許可は使えません)
会社の対応 給与・社会保険・雇用契約はそのまま継続 許可前のフルタイム勤務は不可
主なリスク 申請が受理されていない場合の見落とし 入社日を先取りしたことによる不法就労助長罪

在留期間更新の申請中なら、これまでと同じ仕事を続けられます

特例期間中は「従前の在留資格をもって在留する」のですから、その在留資格で認められていた活動をそのまま続けられます。「技術・人文知識・国際業務」で働いていた方は、同じ会社で同じ職務を続けられますし、当然、会社は変わらず給与を払って大丈夫です。社会保険や雇用契約も、そのまま継続です。

在留カードの表面が期限切れになっているために、会社の総務担当者が「念のため出勤を止めた」「給与を保留した」という話を聞くことがありますが、これは本人の生活を止めてしまう対応になってしまいます。

在留資格変更の申請中は、新しい在留資格の活動を先取りできません

見落としが多いのは、こちらです。特例期間で認められるのは、あくまで従前の在留資格の活動です。変更の許可はまだ出ていないのですから、新しい在留資格の活動を先取りすることはできません。

例えば、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更を申請中の元留学生。3月末が在留期限で、4月1日入社の予定だったが、期限までに許可が出なかった。このとき本人が持っているのは、まだ「留学」です。ここで注意が必要なのは、在学中に受けていた包括的な資格外活動許可(原則として週28時間以内)は、卒業して教育機関に在籍しなくなった時点で使えなくなる、という点です。出入国在留管理庁も、留学生に対する包括的な資格外活動許可は教育機関に在籍している間に限り有効であり、卒業後にどの教育機関にも在籍していなければアルバイトは認められない、と明言しています。

つまり、この元留学生は、就労資格への変更許可が出るまでの間、フルタイムで働かせることはもちろん、在学中の資格外活動許可を根拠にアルバイトをさせることもできません。いずれも不法就労助長罪の問題が生じます。「在学中は週28時間まで働かせていたので、卒業後もその範囲なら大丈夫だろう」という理解は、実務でよく見かける危険な誤解です。

なお、卒業後、就職までの間の在留と就労を手当てする方法としては、「特定活動」(継続就職活動・内定者)への変更と、それに伴う資格外活動許可の取得という道があります。ただし、これも自動的に付くものではなく、別途の申請が必要です。

関連記事:週28時間を超えたらどうなる?

なお、技能実習から特定技能への移行のように、審査期間中の就労を「特定活動」で手当てする運用が用意されている類型もあります。ただし要件が細かく、自動的に付与されるものでもありませんので、必ず個別に確認してください。

更新が許可されたら、新しい在留期間はいつから起算されるのか

更新が許可された場合、新しい在留期間は、従前の在留期間の満了日の翌日から起算されます。審査に2か月かかったからといって、その分だけ在留できる期間が後ろにずれるわけではありません。待たされた期間は、新しい在留期間の中に食い込んでいる、ということです。次回の更新時期を計算するときは、ここを間違えないでください。

3.企業の確認手順|期限切れの在留カードで給与を払っていいかを判断する6ステップ

外国人を雇用する会社にとって、実務上いちばん重要なのはこの部分です。「在留カードの期限が切れている社員に給与を払っていいか」の判断は、次の順番で行います。

手順1|在留カード表面の期限が切れていても、即断しない

表面の「在留期間(満了日)」が過ぎていること自体は、違法の証明にはなりません。特例期間の可能性があります。

手順2|在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」を見る

窓口や取次で申請した場合は、裏面のこの欄に、申請中である旨と日付が記載されます。ここに記載があれば、期限までに申請が受理された証拠です。入管庁も「表面の在留期間が経過している場合は裏面も確認してください」と案内しています。

手順3|オンライン申請なら裏面に記載されません(最大の落とし穴)

ここが最大の落とし穴です。在留申請オンラインシステムで申請した場合、在留カードの裏面には何も追記されません。裏面が白紙だからといって「申請していない」と判断するのは誤りです。

この場合は、申請受付番号の通知メール、または申請受付票(取次者が申請していれば、その控え)で確認します。会社としては、この控えのコピーを本人からもらい、日付とともに保管しておくのが確実です。

手順4|申請の種類が「更新」か「変更」かを確認する

第2章のとおり、ここで結論が変わります。変更申請中であれば、従前の在留資格でできる範囲を超えた勤務はさせられません。

手順5|特例期間の終期をカレンダーに入れる

在留期限の2か月後を、社内の管理表に登録します。そこに近づいても許可の連絡がないなら、何かが起きています(第5章)。

手順6|許可が出たら、新しい在留カードを必ず現物確認する

「許可が出ました」という本人の口頭報告で終わらせないでください。新しい在留カードの在留資格・在留期間・就労制限の有無を目で確認し、記録に残す。ここまでが一連の作業です。

関連記事:偽造在留カードの見分け方

会社が残すべきは「記録」です
大切なのは、「本人から聞いた」ではなく、「いつ、何を確認したか」を記録に残すことです。在留カードの表面と裏面(次の注意点をご確認ください)、申請受付票または受付完了メール、そして許可後の新しい在留カードの写しを、確認日を書き添えて保存してください。この一手間が、次章の不法就労助長罪の場面で、会社を守る材料になります。
【2026年6月14日から】裏面をそのままコピーしないでください
2026年6月14日に交付が始まった「特定在留カード」(在留カードとマイナンバーカードを1枚にしたもの)は、裏面に個人番号(マイナンバー)が記載されます。個人情報保護委員会は、番号法で定められた場合以外に個人番号をコピーすることは特定個人情報の収集・保管制限に違反する可能性があるとして、身分証明書の写しとしてカードの裏面の個人番号をコピーすることはできないと案内しています。在留資格の確認・管理のために裏面の記載(申請中の記載など)を残す場合は、個人番号の部分を隠す・塗りつぶすなど、番号が写り込まない方法で記録してください。税や社会保障の手続のように番号法上認められた目的でマイナンバーを取得・保管する場合とは、保管場所も管理方法も分けて扱う必要があります。

【ご本人へ】特例期間中のマイナンバーカードと預貯金口座は、期限前に手を打つ

法律上は適法に在留していても、民間の窓口では在留カード表面の期限だけを見て手続きを断られることがあります。特に、入管庁が注意を促しているのが次の2点です。

マイナンバーカード:特例期間中も本人確認書類や電子証明書として使い続けるには、市区町村の窓口でカードの有効期間の更新手続が必要です。手続をしないままだと、在留期間の満了後は利用できなくなります。
預貯金口座:在留期間の満了日までに金融機関へ届出をしていないと、その翌日以降の取引が制限される場合があります。給与の振込口座が止まれば生活に直結します。

いずれも、期限が過ぎてから慌てるのではなく、満了日の前に手を打っておく類のものです。入管庁自身も、日常生活への支障を避けるため、在留期間内に許可を受けておくことが望ましいとしています。

【ご本人へ】特例期間中の海外渡航・一時帰国はおすすめしません

申請中でも、再入国許可またはみなし再入国許可による出国は可能とされています。ただし、みなし再入国許可の場合は、従前の在留期間の満了日から2か月を経過する日か、出国の日から1年のいずれか早い日までに再入国したうえで、再入国後も、従前の在留期間の満了日から2か月を経過する前に、入管の窓口で申請の結果を受け取る必要がある、と入管庁は案内しています。つまり、渡航先での予定が少しでもずれれば、期限に間に合わなくなる構造です。

加えて、日本の入国審査官は在留カード裏面の意味を理解していても、海外の航空会社の職員や現地の入国審査官がそうとは限りません。表面の期限だけを見て「有効な在留資格がない」と判断され、搭乗を断られた例があります。欠航や体調不良で予定の便に乗れず、2か月を1日でも超えてしまえば、在留資格そのものを失います。一時帰国は、よほどの事情がない限り、新しい在留カードを受け取ってからにしてください。

「この社員、いま働かせて大丈夫ですか」——その判断だけでも構いません

在留カードの表面と裏面(特定在留カードの場合は、個人番号の部分を隠したもので構いません)、そして申請の控え(受付票や受付完了メール)をご用意いただければ、特例期間に入っているのか、いつまでなのか、就労させて問題ないのかを切り分けてお伝えします。すでに期限を過ぎてしまっている場合も、早いほど打てる手が残ります。

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4.元警視庁入管法捜査員の視点|「申請したつもり」が不法就労助長罪の入り口になる

捜査の現場で見てきたのは、悪質な事案ばかりではありませんでした。むしろ多かったのは、間違った理解によるものです。

「本人が申請したと言っていたので」が通用しない理由

実際には申請されていなかった、あるいは書類の不備で受理されていなかった。会社は本人の言葉を信じただけですが、不法就労助長罪(入管法73条の2)は、知らなかったことに過失がある場合には成立し得ます。裏面の記載や受付票のコピーを取っていれば防げた事案が、確認を省いたために立件対象になる。この差はとても大きいです。

2027年4月1日から、不法就労助長罪は5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金に

この罪の重さは、これから変わります。現在の法定刑は「3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科」ですが、2024年(令和6年)公布の改正入管法(令和6年法律第60号)により、2027年(令和9年)4月1日から「5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科」に引き上げられます。育成就労制度が始まるのと同じ日です。

「または」ではなく「併科」があるという点は、企業にとって軽くない話です。実刑の可能性と、会社の資金に直接響く罰金とが、同時に科され得るということだからです。

関連記事:知らずに雇った会社も罰せられます

「在留期限の翌日に申請した」を救済する規定はありません

実務でよく見かけるのが、このケースです。土日や祝日で窓口が開いていなかった、というご相談も受けます。心情としては理解できますが、法律の建て付けは「満了日までに申請していること」であり、1日の遅れを救済する規定は用意されていません。連休で窓口が閉まる可能性まで織り込んで、逆算するほかありません。

企業のご担当者様にお願いしている3つのこと

更新は在留期限のおおむね3か月前から申請できます。「3か月前に着手」ではなく「3か月前に申請」を目標にしてください。書類の取り寄せに時間がかかるため、着手はそのさらに1か月前です。
申請した証拠(裏面の記載、受付票、送信完了メール)を、必ず会社側でも保管してください。
本人任せにしないでください。更新の申請自体は本人(または取次資格のある者)しかできませんが、期限を管理するのは会社の仕事です。

その「会社の仕事」を、当事務所が引き受けます|外国人雇用の顧問契約

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なお、技術・人文知識・国際業務の社員について、2026年4月15日以降の更新で何が変わったかは、N2がない社員は更新できないのかにまとめています。

5.更新の審査が長引いているとき|特例期間2か月のうちに結論を出すために

在留期間更新の標準的な処理期間は、おおむね2週間から1か月とされていますが、東京などでは特に、これよりも長引く傾向にあります。それを超えて在留期限が来てしまった場合、単純に窓口が混み合っていただけということもありますが、確認すべき事情が審査側にあることも少なくありません。放っておくのではなく、心当たりを一度洗ってみてください。

ビザ更新の審査が長引く、よくある6つの理由

追加資料を求められている(資料提出通知書が届いている、または近く届く)
転職後、その会社で初めての更新である
部署異動などで職務内容が変わっている
無職の期間が長い、あるいは前職の退職から日が空いている
離婚や別居など、身分系の在留資格で事情が変わっている
所属機関の届出や住居地の届出が出ていない

最も致命的なのは、資料提出通知書の放置です

このうち、最も見落とされやすく、かつ致命的なのが資料提出通知書です。自宅に届いた通知を本人が放置していた、日本語が読めずに開封していなかった、というケースを何度も見ています。提出期限は通常1〜2週間程度で、これを過ぎると、手元にある資料だけで判断されてしまいます。本来通るはずの案件が、これで不許可になります。

関連記事:資料提出通知書が届いたら

もし2か月の終わりが近づいても連絡がない場合は、待つのではなく、申請した入管の窓口に照会してください。通知が郵送事故で届いていない可能性もあります。

不許可になった場合、特例期間は処分の日で終わります

審査の結果が不許可だった場合、特例期間はその処分の日で終わります。2か月の残りがあっても、そこで打ち切りです。多くの場合は「特定活動(出国準備)」が付与されますが、これは就労できない在留資格ですし、前述のとおり30日か31日かで次の一手が変わります。不許可になったからといって、その場ですべてが終わるわけではありませんが、対応には期限があります。

関連記事:不許可からの立て直し方

6.特例期間と在留期限切れについてのよくある質問

Q1.在留カードの期限が切れた社員に、給与を払い続けていいですか?

在留期間更新の申請中で、満了日までに申請が受理されているのであれば、問題ありません。特例期間中は従前の在留資格で在留しているためです。確認は、在留カード裏面の申請中の記載か、オンライン申請なら受付票・通知メールで行ってください。

Q2.在留期限の翌日に更新を申請しました。特例期間は使えますか?

使えません。特例期間は「満了日までに申請していること」が前提です。期限を過ぎた時点で不法残留となり、その状態で就労させれば会社側の責任も問われます。速やかに専門家へご相談ください。

Q3.特例期間中に転職しても大丈夫ですか?

おすすめできません。更新申請は、申請時点の勤務先と職務内容を前提に審査されています。審査中に転職すれば、その前提が崩れます。加えて、退職・転職の届出は14日以内に必要です。どうしても時期が重なるのであれば、申請した入管への申し出を含めて、事前に相談されることをお勧めします。

関連記事:届出を出し忘れたときの対応退職から3か月で取り消される?

Q4.更新が許可されたら、在留期間は許可の日から数えるのですか?

いいえ。更新の場合、新しい在留期間は従前の在留期間の満了日の翌日から起算されます。審査に時間がかかった分だけ在留期間が延びるわけではありませんので、次回の更新時期の計算にご注意ください。

Q5.特例期間中も、在留カードを持ち歩く必要はありますか?

あります。期限が切れているように見えても、携帯義務はなくなりません。むしろ職務質問を受けた際に、裏面の記載や申請受付票がないと説明に時間がかかります。受付票の写しも一緒に携帯しておくと安心です。

関連記事:不携帯で職務質問されたら

7.まとめ|更新中に在留期限が切れたときの確認手順

在留期間の満了日までに更新を申請していれば、審査中に期限が過ぎても、最長2か月は適法に在留できます(入管法20条6項、21条4項による準用)。この間、従前と同じ内容の就労を続けられます。
分かれ目は「満了日までに申請したか」の一点です。1日でも遅れれば特例期間は発生せず、不法残留となります。
在留資格の「変更」を申請中の場合は、従前の在留資格の活動しかできません。留学から就労への変更申請中のフルタイム勤務は、不法就労にあたります。
会社の確認は、在留カードの表面ではなく裏面。オンライン申請なら申請受付票です。裏面が白紙でも「申請していない」とは限りません。
特例期間に入っているということは、審査が長引いているということです。資料提出通知書が届いていないか、まず確認してください。
2027年4月1日から、不法就労助長罪の法定刑は「5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科」に引き上げられます。いつ何を確認したかを記録に残す習慣は、そのための備えでもあります。

ビザ更新中の在留期限切れでお困りの方へ

次のような方は、ご相談ください。

更新を申請したが、在留カードの期限が過ぎてしまった
期限切れの在留カードの社員に、給与を払い続けてよいか判断がつかない
オンライン申請をしたが、裏面に記載がなく確認方法がわからない
資料提出通知書が届いたが、何をどう出せばよいかわからない
在留期限を過ぎてから申請していないことに気づいた

いま何日残っているのかを、一緒に整理します

在留カードの表面と裏面(特定在留カードの場合は、個人番号の部分を隠したもので構いません)、そして申請の控え(受付票や受付完了メール)をご用意のうえ、お早めにご相談ください。
今どの段階にいて、あと何日あるのか——そこを確定させるところから、一緒に対応いたします。

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【法令・情報の根拠】

※本記事は2026年8月時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。審査期間の実情や運用の取扱いは変更されることがあります。個別の事案は在留資格・職務内容・申請の経緯によって結論が変わりますので、実際の対応にあたっては出入国在留管理庁の最新の案内をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

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この記事を書いた人

TAMAフロンティア行政書士事務所 代表

毛呂 敦(もろ あつし)

行政書士 毛呂敦 入管業務を専門とする行政書士。警視庁で約20年間勤務し、うち約10年を国際捜査官として入管法実務に従事。現場で得た知見を活かし、東京・多摩地区(ご相談場所は立川駅)を拠点に、外国人のビザ申請と企業の外国人雇用をサポートしています。
行政書士(登録番号 第26081692号)
外国人雇用管理主任者
元警視庁 国際捜査官
TOPIK(韓国語能力試験)上級
技能実習監理責任者講習 受講済



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