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技人国の更新が不許可になる理由|同じ仕事でも現場作業が多い場合

元警視庁入管法捜査員の行政書士が解説

「何も変えていないこと」は、次の更新が通る理由になりません

──外食業・製造業・宿泊業のご担当者様向け

「同じ会社で、同じ仕事です。更新は問題ないですよね」
「3年前も、その前も、同じ内容で更新できています」
「4月から厳しくなったと聞きましたが、うちは転職者もいませんので」

最近、こうしたお話を伺う機会が増えました。悪意はありません。むしろ、真面目に雇用を続けてこられた会社ほど、この認識になるかもしれません。

ですが、現状では、外食業・製造業・宿泊業で、実際に不許可事例が発生しているという話を周囲でよく聞きます。

これらの事例で共通しているのは、「前回申請時に説明したのと同じ会社で、同じ業務をしていたのに、次の更新で止まった」という形です。

私は行政書士になる前、警視庁で約20年間勤務し、うち約10年間は入管法違反事件の捜査に従事してきました。捜査の側から見ていて一番残念に感じたのは、「うちは大丈夫だと信じていた」会社が、通知を受け取って初めて事の重大さに気づく場面です。

この記事は、まだ何も起きていない今、社内で確認していただくために書いています。

※本記事は2026年9月時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。入管庁の公表資料から確認できる内容、筆者の見立て、伝聞は区別して記載しています。

目次

この記事のポイント【先に結論】

▶ 外食業・製造業・宿泊業で、実際に不許可が出ているという話を周囲でよく聞くようになりました。共通しているのは前回許可されてから「会社は特に何も変えていない」という点です。すなわち、悪質な会社の話ではありません。
▶ 2026年4月15日、入管庁の「明確化」文書が一部改正されました。禁止事項が新設されたのではなく、審査で確認されるポイントが具体化された、という性質の改正です。
▶ 在留資格該当性は、更新のたびに審査され直します。前回許可されたことと、その業務が今後も同じ評価を受けることは別問題です。
▶ 不許可が判明してから打てる手は、社内の配置転換、特定技能への在留資格変更、技人国のまま転職活動の3つ。いずれも数か月かかるため、在留期限まで3か月を切ってから気づくと、選択肢が急激に狭まります。
▶ ですから、順序としては、まず現在の業務を棚卸しする。問題がなければ、必要に応じて就労資格証明書(入管法19条の2)で現在の職務について確認を取る。問題があれば、申請する前に業務設計を見直す。「とりあえず申請する」ではありません。
▶ 就労資格証明書が交付されれば、その後の職務内容等に変更がない限り、次回更新で在留資格該当性を説明するうえで有力な資料になります。ただし、更新そのものを保証するものではありません。

1.相談事例|「今までどおり」のつもりが、そうではなかった

ある外食業の会社からのご相談です。

その社員の方は、「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国」)で外食業の会社に入社し、店長として店舗で勤務していました。転職も配置転換もなく、同じ店舗の同じ立場で、過去には更新も問題なく通っていました。

今回も前回と同じ内容の書類で更新のご相談がありました。ところが、話を聞いてみると、店長として日常的にホールスタッフのように接客や配膳をしていることがわかりました。最初にその店で働く時の認定申請や、その後の更新申請の際に、これらの現場作業も一部含まれる旨は記載したうえで許可されていたようです。

このように、以前は現場業務が少し含まれるくらいなら許可されていたケースが多かったのです。

会社は何も変えていません。悪意もありません。ただし、もともと在留資格の該当性を満たしていないのであれば、それは許可要件を満たしていないということです。技人国ではこれが横行していることが問題視されており、最近になって審査が厳しくなっている、という流れです。

このご相談は受任には至らなかったので、その後どのような判断をされたかは分かりません。ただ、このまま何もしなければ、資格外活動の状態が続いてしまいます。基本的には、次のいずれかの対応をとることになります。

▶ 社内で「技人国」に合った業務へ配置転換をする
▶ 特定技能などの在留資格へ変更する
▶ 「技人国」の業務ができる職場へ転職する

この3つが実際にどれくらい現実的なのかについては、第3章で一つずつ見ていきます。

2.2026年4月15日の明確化改正|技人国の審査で現場作業がどう見られるようになったか

何が改正されたのか

入管庁は「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」という文書を公表しています。技人国でどのような業務が認められ、認められないのかを、事例つきで整理したものです。

この文書が、令和8年(2026年)4月15日付けで一部改正されました。別紙4「翻訳・通訳業務等の言語能力を用いる対人業務」が新たに公表され、別紙1(実務研修)と別紙5(ホテル・旅館等)が更新されています。あわせて、一部の申請について提出書類の取扱いも周知されました。

大事なのは、入管法の条文も、上陸許可基準を定めた省令も、この日に変わったわけではないという点です。変わったのは、条文をどう当てはめるかという考え方であり、審査で確認されるポイントの具体化です。法令を検索しても変化は見えないため、多くの会社は気づかないまま次の更新を迎えます。

「前も同じ内容で通った」が、なぜ通用しないのか

4月15日に新しい禁止事項ができたわけではありません。入管庁の本文書は、技人国に該当しない業務を「特段の技術又は知識を要しない業務」「反復訓練によって従事可能な業務」と説明し、採用基準に「未経験可」「すぐに慣れます」と書かれるような業務は対象ではないとしています。以前からの原則です。

ただ、実務ではこういうことが起きていました。一定の現場対応を含む職務内容を記載したまま申請し、それでも許可・更新されていた例が、確かにあったのです。その経験があると、「前も同じ内容で通った」という感覚が社内に残ります。

しかし、在留期間の更新は、入管法21条3項により「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるとき」に許可されるものです。更新のたびに、その時点の業務内容が、その時点の考え方で判断されます。過去に許可されたことと、その業務が今後も同じ評価を受けることは、別の問題です。冒頭の「同じ会社で同じ業務をしていたのに更新が止まった」という話は、この構造から出ています。

(関連記事:技人国の日本語要件(N2)に届かない社員は、更新できなくなるのか飲食店の店長・店長候補は技人国で大丈夫か|現場作業と次の更新

3.技人国の更新が不許可になりそうなとき、会社にできる3つのこと(配置転換・特定技能への変更・転職)

先ほどのご相談のように、いまの働き方のままでは次の更新が難しい。そう分かったとき、会社が取れる対応は、大きく次の3つです。

① 社内の配置転換で、技人国に合った業務に変える
② 特定技能などの在留資格に変更する
③ 技人国の業務ができる会社へ転職する

順に見ていきます。ただし先にお伝えしておくと、この3つは「やれば解決する」という性質のものではありません。どれも、在留期限まで相応の時間が残っていることが前提になります。

① 社内の配置転換で、技人国に合った業務に変える

最も自然に見える選択肢ですが、実際にはいちばん難しいことも少なくありません。

必要なのは肩書を変えることではなく、受け皿となる業務が社内に実在することです。外食業でいえば、複数店舗の運営分析、本部での商品企画やマーケティング、海外取引、社内システムの構築といった業務がこれにあたります。店舗に1人だけ役職者を置いている会社では、そもそも社内にそのポストがない、ということが起こります。

仮にポストがあっても、そこを空けるには引継ぎと他の社員の配置調整が伴い、就業規則や雇用契約の見直しが必要になることもあります。人手が足りないから現場に入ってもらっていた会社にとっては、その人を現場から抜くこと自体が痛手です。

そして、配置転換をしたなら、次の更新では「いつから、どの業務に、どれだけの時間を使っているか」を書面で示さなければなりません。更新の直前に肩書だけを変えても、実態が伴わなければ説明になりません。

② 特定技能などの在留資格に変更する

現場業務が中心なら、そもそも技人国ではなく別の在留資格で受け入れるのが制度の想定です。外食業であれば、キッチンやホールが中心なら特定技能1号、一つの店舗の管理やスタッフの指導なら特定技能2号、エリアマネージャーや営業・マーケティングなら技人国、というように、業務に合った在留資格が用意されています。

ただし、変更には時間がかかります。本人が分野別の技能評価試験と日本語試験に合格していなければならず、試験は随時実施されているとは限りません。会社側も、支援計画の作成や受入れ機関としての要件充足が必要です。

さらに、外食業分野では2026年4月13日以降、特定技能1号の新規の在留資格認定証明書交付申請は不交付、他の在留資格からの変更も原則不許可とされています(分野内での転職や、すでに取得している方の更新などは別の扱いです)。「困ったら特定技能へ」という前提が、いま外食業では崩れてしまっています。

なお、永住者・日本人の配偶者等・定住者のように就労制限のない在留資格であれば職種の制限はありませんが、これは本人の身分に基づくもので、会社の都合で選べるものではありません。

③ 技人国の業務ができる会社へ転職する

会社としては手放すことになりますが、本人の在留を守るという意味では現実的な選択肢です。

ただし、これも時間が要ります。本人の求職活動期間に加えて、転職先での手続き期間が必要です。しかも技人国のまま転職しても、次の更新では新しい会社での業務が改めて審査されます。転職先の選び方を誤れば、同じ問題を繰り返すことになります。

そしてもう一点、注意していただきたいのが「退職してから探す」という進め方です。在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない状態が続くと、在留資格取消しの対象になり得ます(入管法22条の4第1項6号。正当な理由がある場合を除きます)。「辞めてからゆっくり探す」はリスクがあります。

(関連記事:就労ビザで会社を辞めたら3か月で取消し?退職後の届出と転職活動

3つに共通するのは、どれも時間がかかるということです

ここまでお読みいただくと分かるとおり、どの対応も、思い立ってすぐに完了するものではありません。受け皿を作るにも、試験に合格するにも、転職先を見つけるにも、月単位の時間が要ります。

ところが実際には、この3つを検討し始める時点で、たいてい在留期限は目前に迫っています。次の章で、それぞれにどれくらいの期間がかかるのかを並べてみます。

4.気づくのが期限の3か月前だと、なぜ選択肢が狭まるのか

不許可の話を聞くとき、私がいちばん気になるのは結果ではなく、その会社がいつ異変に気づいたかです。聞く限り、ほとんどが「更新申請を出したあと」か「資料提出通知書が届いたあと」。在留期限まで数か月を切った時点で、初めて向き合うことになっています。

前章で見た3つの対応に、それぞれどれくらいの時間がかかるのか。更新申請そのものの期間もあわせて並べてみます。

打ち手 期間の目安 最大のハードル
社内の配置転換で技人国に収める 1〜3か月 受け皿となる業務が社内に実在するか
特定技能への在留資格変更 3〜6か月 試験の合格と支援体制の整備。外食業分野には受入れの制限あり
技人国のまま転職活動 3か月〜 求職期間+転職先での手続き。3か月以上活動しないと取消しの対象
在留期間更新許可申請そのもの 2週間〜1か月
(標準処理期間)
資料提出通知書が届けば1か月前後の往復が加算。受付は満了3か月前から

在留期限まで3か月しかない状態で気づいても、選択肢は急激に狭まります。間に合う案件がないわけではありませんが、腰を据えた立て直しは難しくなります。

不許可になると、就労できない期間が来ます

更新申請中に在留期限が過ぎても、期限内に申請していれば特例期間があり、その間は従前の活動を続けられます。ただし、処分がされるとき、または在留期間の満了日から2か月を経過するときの、いずれか早いほうまでです。

そして更新が不許可になった場合、事情に応じて、出国準備を目的とする「特定活動」(30日または31日)が指定されることがあります。この期間、就労はできません。

会社にとっては、戦力の突然の喪失です。しかも、同じ設計で雇用している社員が他にもいるなら、その全員が同じ問題を抱えていることになります。1件の不許可は、たいてい1件では終わりません。

(関連記事:ビザ更新中に在留期限が切れたら|特例期間2か月は働けるのかビザが不許可になったら|再申請の手順と通すための立て直し方

5.まず業務の棚卸し|就労資格証明書の交付申請で次の更新前に確認する

順序が大事ですので、先に申し上げます。「就労資格証明書を申請しましょう」ではありません。まず、いまの業務を棚卸しする。問題がなければ、必要に応じて就労資格証明書で現在の職務について確認を取る。問題があれば、申請する前に業務設計を見直す。この順序です。

ステップ1|書面と実態を突き合わせる

前回の申請で入管に説明した内容と、いまの実態を並べてみる。それだけです。ご用意いただきたいのは、次の資料です。

▶ 在留カード(表裏)
▶ 前回申請時の業務内容説明書、雇用契約書
▶ 直近1〜3か月のシフト表またはタイムカード
▶ 職務分掌、組織図
▶ 給与台帳(同等報酬の確認のため)
▶ 卒業証明書、成績証明書(専攻と業務の関連性の確認のため)

このうち、多くの会社で出てこないのが「前回申請時の業務内容説明書」です。行政書士に任せきりだった、担当者が退職して所在が分からない、というケースは珍しくありません。これがないと、何がどう変わったのかを比べられません。ここから探してください。

ステップ2|就労資格証明書は、時間を買うために使う

棚卸しの結果、「たぶん大丈夫だと思うが、確信は持てない」となったとき。ここで使えるのが就労資格証明書(入管法19条の2)です。条文は「交付することができる」という書き方で、申請は任意。取得していなくても在留資格の範囲内であれば適法に働けますし、交付されても在留期間は1日も延びません。

では何のために使うのか。時間です。

交付されれば、いまの職務が現在の在留資格で行える活動に当たることを、期限に追われない時点で確認できます。その後の職務内容等に変更がなければ、次回更新で在留資格該当性を説明するうえで有力な資料になります。ただし、更新そのものを保証するものではありません。

交付されなければ、まだ期限まで日があるうちに、配置転換や業務設計の見直しといった選択肢を検討できます。

(関連記事:就労資格証明書は取るべきか|技人国の転職で仕事内容が変わる場合/制度の基本、取るべきケースの仕分け、手数料と処理期間はこちらで詳しく解説しています)

就労資格証明書交付申請に関するご相談
「いま出しておくべきか」を、在留期限から逆算して整理します
在留カード、雇用契約書、直近1か月のシフト表、職務分掌、組織図をご用意ください。現在の業務を棚卸ししたうえで、いま就労資格証明書を申請すべき事案か、先に業務設計を見直すべき事案かを切り分けてご説明します。期限まで日があるほど、選べる手は多く残ります。

就労資格証明書の申請について相談する ▶

就労ビザ(技人国)申請サポートのページへ移動します

開示することの副作用|就労資格証明書交付申請

勧める側として、言っておくべき点があります。就労資格証明書を申請するということは、会社と本人が、現在の職務内容を自ら入管に開示するということでもあります。

交付されなかったからといって、それだけで現在の在留資格が直ちに失効するわけではありませんが、開示した職務内容が明らかに在留資格の範囲を出ていた場合、その事実は入管の知るところとなります。入管法22条の4第1項6号は、在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていないことを取消事由の一つとして定めています(正当な理由がある場合を除きます)。不交付から直ちに取消手続が始まるものではありませんが、「まったく無関係」とも言えません。

それでは、出さない方がいいのか。私の考えは逆です。放置すれば同じ事実が次の更新のとき、しかも打つ手のない時点で表に出るだけだからです。

だからこそ、順序なのです。まず棚卸しをして見立てを立てる。そのうえで、そのまま出すか、先に業務設計を直してから出すかを決める。「とりあえず出してみる」は、この制度に限っては最善手ではありません。

元警視庁入管法捜査員としての視点

捜査の側にいたとき、入口になっていたのは、たいてい書面と実態の乖離でした。申請書には「通訳・翻訳業務」とあるのに、現場に行くとその人は厨房にいる。この乖離は、求人やホームページがちゃんとしていても、口コミや同僚の証言など色んな方面から実態は見えるものです。

逆に言えば、いつ、誰が、何を確認し、どう説明したのかという記録が残っていることが、会社を守ります。就労資格証明書は、その記録の一つになります。

(関連記事:不法就労助長罪とは|「知らなかった」では済まない外国人雇用のリスク

就労資格証明書交付申請に関するご相談
出すべきか迷ったまま、期限を迎えないでください
「このまま申請してよいのか」「先に配置を直すべきではないか」。この判断は、書面と実態を突き合わせなければつきません。申請書に何をどう書くかまで含めて、元警視庁入管法捜査員の行政書士がご相談を承ります。

就労資格証明書の申請について相談する ▶

就労ビザ(技人国)申請サポートのページへ移動します

6.在留期限から逆算する技人国のチェックリスト(現場作業の割合を確認する8項目)

期限別の時間割

在留期限までの残り やること
12か月以上 対象者を一覧にし(氏名・在留資格・在留期限・学歴・専攻・現在の職務)、前回の申請書類といまの実態を突き合わせます。差があれば、この段階で業務設計の見直しに着手してください。最も選択肢の多い時期です。
6〜12か月 見直し後の職務で、就労資格証明書の申請を検討します。並行して配置転換の受け皿を用意し、特定技能への変更を考えるなら試験の実施時期を確認します。
3〜6か月 証明書を待つか、更新申請に進むかを判断します。特定技能への変更は、この時期が実質的な最終ラインに近くなります。
3か月未満 更新で進むのか、在留資格変更で進むのかを至急判断する局面です。現在の職務が明らかに技人国の範囲を出ているなら、更新申請を出すこと自体を見直す必要があります。自社だけで判断せず、ご相談ください。

社内で確認していただきたい8項目

□ 前回申請時の業務内容説明書が、社内に保管されているか
□ その記載内容と、いまの一日の業務が一致しているか
□ 直近3か月のシフト表に、本人が現場枠で入っている日がないか
□ 繁忙期・欠員時の現場対応が、常態化していないか
□ 職務分掌または組織図で、その方の役割を説明できるか
□ 「研修」が続いている場合、終わりと次の段階が具体的に決まっているか
□ 学歴(専攻)と現在の職務の関連性を、書面で説明できるか
□ 同種の業務に従事する日本人と、報酬が同等額以上か

7.技人国の更新・不許可についてのよくある質問

Q1.会社も仕事も変えていません。それでも次の更新で不許可になることがありますか。

A.あり得ますし、実際にそうした話を聞いています。在留資格該当性は更新のたびに審査され直しますので、前回許可されたことと、その業務が今後も同じ評価を受けることは別問題です。会社側に変化がなくても、結論は変わり得ます。

Q2.いま現場に入っている社員がいます。すぐに外せばよいですか。

A.外すこと自体は必要ですが、それだけでは足りません。まず、過去にどの業務をどれだけ行っていたのかを正確に整理してください。そのうえで、資格外の疑いがある業務をこれ以上拡大させないこと。そして、受け皿となる業務が社内に実在するかを確認することです。書類上の職務記述だけを書き換えても、解決にはなりません。

Q3.就労資格証明書を出したら、かえって目をつけられませんか。

A.申請が現在の職務内容を自ら開示する行為である以上、その懸念はもっともです。だからこそ、出す前に棚卸しをして見立てを立て、そのまま出すか、先に業務設計を直してから出すかを決めます。ただし、放置しても問題は消えず、次の更新で打つ手のない時点で表に出るだけです。

8.まとめ|技人国の現場作業を、在留期限1年前に点検する

在留資格該当性は、更新のたびに審査され直します。過去に許可されたことと、その業務が今後も同じ評価を受けることは別問題です。そして、不許可が分かってから打てる手は、配置転換(1〜3か月)、特定技能への変更(3〜6か月)、転職活動(3か月〜)。在留期限まで3か月を切ってからでは、選択肢が急激に狭まります。

採用時には適法だった業務が、人手不足や配置の都合で少しずつ変わり、気づいたときには日常的な現場業務になっていることもよくあります。

失われるのは、貴重な人材です。

苦労して採用し、時間をかけて育て、日本語も会社の仕事も分かるようになった社員を、更新直前の確認不足で手放すことになる。本人も、生活の基盤を1か月ほどで組み直すことを迫られます。避けられたはずの結末です。

当事務所の顧問契約では、在留期限の管理、採用前の適合性チェック、配置転換や昇格時のご相談、シフトと職務分掌の点検を継続的に支援しています。

技人国の社員に現場業務が含まれている。前回の申請書類が見当たらない。在留期限まで1年を切った社員がいる。こうした状況でしたら、在留カード、雇用契約書、直近1か月のシフト表、職務分掌、組織図をご用意のうえ、ご相談ください。まず棚卸しをして、就労資格証明書を出すべき事案か、先に業務設計を見直すべき事案かを整理します。

不許可通知を受け取ってからではなく、まだ何も起きていない今が、動くタイミングです。

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この記事を書いた人

TAMAフロンティア行政書士事務所 代表

毛呂 敦(もろ あつし)

行政書士 毛呂敦 入管業務を専門とする行政書士。警視庁で約20年間勤務し、うち約10年を国際捜査官として入管法実務に従事。現場で得た知見を活かし、東京・多摩地区(ご相談場所は立川駅)を拠点に、外国人のビザ申請と企業の外国人雇用をサポートしています。
行政書士(登録番号 第26081692号)
外国人雇用管理主任者
元警視庁 国際捜査官
TOPIK(韓国語能力試験)上級
技能実習監理責任者講習 受講済



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