TAMAフロンティア行政書士事務所|立川・多摩のビザ申請・外国人雇用サポート

ビザ申請・外国人雇用サポート
【対応地域】東京都近郊にお住まいの方(オンライン相談も可能)

070-5265-3210

電話受付時間 : 平日9:00〜18:00 休業日:土日祝(事前予約された場合は対応いたします)

メール対応は24時間受け付けております。

お問い合わせはこちら

在留カード不携帯の罰則は?職務質問から警察署までの流れと企業の備え

元警視庁入管法捜査員の行政書士が解説

在留カードを持っていなかった。そのあと、実際には何が起きるのか

在留カードの不携帯は、20万円以下の罰金が定められた法律違反です。ただ、多くの方が本当に知りたいのは条文ではなく、「持っていなかったら、自分は(うちの社員は)どうなるのか」だと思います。職務質問を受けてから警察署でどんな手続が行われ、どこで「始末書で帰れる」と「事件になる」が分かれるのか。捜査の現場で実際に扱ってきた立場から整理します。

外国人本人や企業の方から、こんな声を聞くことがあります。

「コンビニに行くだけでも、在留カードを持たないといけませんか」
「スマホに写真があります。それではダメなのでしょうか」
「社員が在留カードを持っておらず、警察署に連れて行かれたと連絡がありました」
「なくすと困るので、会社で在留カードを預かっています。問題ありませんか」

私は行政書士になる前、警視庁で約20年間勤務し、そのうち約10年間は入管法違反事件の捜査に従事してきました。在留カードを持っていない外国人の方が警察署に来る場面は、数えきれないほど経験してきました。

ビザ申請の手続からは少し離れたテーマですが、日本で生活する外国人の方にとっても、外国人を雇用する企業や留学生を受け入れる学校にとっても、日常的に起こり得る話だと思います。なお、以下に書く実務の流れは当時の経験に基づくものです。運用は時期や地域、何より個別事案ごとに変わりますので、あくまでも参考としてお読みください。

外国人社員の在留カードの取り扱いや社内ルールづくりについては、外国人雇用の企業サポートでまとめてご案内しています。

※本記事は2026年8月時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。個別の事案の扱いは異なりますので、実際の対応にあたっては最新の公式情報をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

目次

この記事のポイント【先に結論】

中長期在留者は、在留カードを常に携帯する義務があります(入管法第23条第2項)。違反は20万円以下の罰金です(同法第75条の3)。
もう一つ、重い罰則があります。提示を拒んだ場合は1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金(同法第75条の2)。条文上、ICチップの内容を確認するために必要な措置を拒むことも、これと同じ扱いです。
不携帯がその場で判明した場合、原則として警察署への同行を求められます。何もなくても、解放まで最低2時間程度はかかります。
「生活圏の中か外か」「繰り返していないか」「説明に矛盾がないか」。この3点が、始末書で帰れるか事件になるかの分かれ目です。
会社が在留カードを預かる・保管するのは、企業がやってはいけないことの筆頭です。社員を24時間、違反状態に置くことになりますし、育成就労・技能実習では法律で明確に禁止されています。

1.在留カードの携帯義務と、不携帯の罰則

「常に携帯」は、文字どおりの意味です

入管法第23条第2項は、中長期在留者について、在留カードを受領し、常にこれを携帯していなければならないと定めています。就労ビザ、留学、家族滞在、日本人の配偶者等など、在留カードが交付されている方が対象です。

「常に」に例外はありません。家から100メートル先のコンビニでも義務は同じです。なお、16歳未満の方には携帯義務がありません(同条第5項)。

日本に在留する外国人には旅券(パスポート)の携帯義務もあります(同条第1項)。ただしこの条文にはただし書があり、「次項の規定により在留カードを携帯する場合は、この限りでない」とされています。在留カードさえ持っていれば、パスポートは自宅に置いていて構わない、ということです。

逆は成り立ちません。パスポートを携帯していても、在留カードを携帯していなければ第2項違反です。旅券の携帯が、在留カードの携帯義務を肩代わりしてくれるわけではありません。ただし、実務上これをもって事件化することはほぼないと思います。

なお、どちらも携帯していない場合は、在留カードの携帯義務違反に加えて、第1項のただし書が働かなくなるため、旅券の携帯義務違反(10万円以下の罰金)も成立し得ます。

罰則は「不携帯」と「提示拒否」の2つに分かれます

ここは混同されやすいので、分けて整理します。

違反の内容 罰則
在留カードを携帯しなかった 20万円以下の罰金(第75条の3)
提示を拒んだ/ICチップの内容確認に必要な措置を受けることを拒んだ 1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金(第75条の2)
旅券を携帯しなかった(在留カードを携帯していない場合。短期滞在の方など) 10万円以下の罰金(第76条)

提示を求めることができるのは、入国審査官、入国警備官、警察官、海上保安官その他法務省令で定める国または地方公共団体の職員です(入管法第23条第3項)。

これから効いてくるのは「ICチップの読み取り」です

提示拒否の条文には、「在留カード電磁的記録の内容を確認するために必要な措置を受けることを拒んだ者」という文言が入っています。

2026年6月14日以降に交付される新しい在留カード・特定在留カードでは、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が券面に印字されず、ICチップにのみ記録されます。券面を見せるだけでは確認が終わらず、読み取り機にかざす場面が今後は増えていきます。

「カードは見せたのだから十分だろう」と読み取りを断ると、罰金だけの条文ではなく、拘禁刑まで定められている重いほうの条文が問題になり得ます。

特別永住者証明書は、扱いが違います

特別永住者証明書には常時携帯義務はありません。ただし提示義務はあるため、求められれば保管場所まで同行して提示するといった対応が必要です。在留カードと特別永住者証明書は別物ですので、混同しないでください。

2.元入管法捜査員の視点|職務質問から警察署まで、実際に何が起きるのか

ここからが、この記事の本題です。

声を掛けられるきっかけは、たいてい「挙動不審」か「車両違反」

外国人の方が職務質問を受ける場面は、おおむね次のどちらかです。

道を歩いている、自転車や自動車で走行している
事件や事故、110番通報の関係者になった

同じように歩いていても、声を掛けられる人とそうでない人がいます。分かれ目は、警察官から見て不審に映る挙動があったか、車両側に違反があったか、といったところです。そして、いずれの場合もほぼ100パーセントの確率で身分確認が行われ、在留カードの提示を求められます。

カードがあれば数分、なければ警察署へ

在留カードを携帯していて、その場で内容を確認でき、ほかに違反がなければ、その時点で終了です。数分の話です。

一方、不携帯がその場で分かった場合は、基本的にそのまま一度、警察署へ同行を求められることになります。制度上、この同行はあくまで任意です。ただ、断ればその場でのやり取りが長引くだけで、結局は身分が確認できるまで解放されません。

「家がすぐそこなので取ってきます」で終わらないのか、ともよく聞かれます。自宅が見えている範囲ですぐ確認できる場面ならその可能性もありますが、逃走や事故防止の観点から、現場ではあまり推奨されません。私自身は、必ず同行するよう指示していました。

警察署では、制服の警察官から私服の刑事に引き継がれます

現場で最初に対応するのは、職務質問をした制服の警察官です。警察署に着くと、そこから私服の刑事に引き継がれます。私が担当していたのは、ここから先の部分です。

刑事が行うのは、取調べに近い形の聴取と、入国・在留状況の確認です。いつ入国し、どの在留資格で、在留期限はいつまでか。

ここでオーバーステイ(不法残留)などが判明すれば、その時点で逮捕です。逆に、正規に在留していて、他の事件にも関わっていないと分かれば、残るのは「在留カード不携帯をどう扱うか」という一点だけになります。

3.始末書で帰れるか、事件になるか|現場での3つの分かれ目

不携帯だけが残ったとき、その先は事案ごとの判断です。一概には言えませんが、現場で見られているのは、おおむね次の3点です。

1つめ|生活圏の中か、外か

不携帯の状態でいた場所が自宅から生活圏内(数キロ程度)であれば、始末書のようなものを書いて帰れるケースが多いです。

一方、たとえば大阪に住んでいる方が東京で在留カードを持っていなかった、という場合は話が変わります。悪質性を考慮して事件化されるケースも珍しくありません。ただ、生活圏から少し離れた場所での不携帯を積極的に取り締まっていた時期もあったので、近いから必ず大丈夫とは一概には言えません。

2つめ|同じことを繰り返していないか

過去にも同じ取扱いを受けている場合、常習性があるとみなされます。一度目が始末書で終わったからといって、二度目も同じ結論になるとは限りません。

3つめ|説明が矛盾していないか

「持っていなかった」こと自体よりも、その後の説明が一貫しない、住所や勤務先がはっきりしないといった事情のほうが、実務では重く見られやすくなります。

これをあいまいに答える人は、何かを隠さないといけない人なわけであって、実際に、結構な高い確率でオーバーステイなどの違反や別の犯罪に関わっているケースが多いです。

そして、時間は必ず取られます

始末書で帰れる場合でも、職務質問から解放まで、短くても2時間程度はかかります。夜間や、確認に時間を要する事案なら、もっと長くなります。

「この程度なら大丈夫か」を議論する以前に、半日が消える可能性がある。仕事に行けない、学校に行けない、家族が連絡を取れない。実害はそこに出ます。

4.言葉が通じないことで起きる事故|誤認逮捕と「わからないまま、はい」

不携帯そのものより、私が本当に危ないと感じてきたのはこの部分です。

意味が分からないまま話が進んでしまう

私が実際に経験した話ですが、現場で警察官に「オーバーステイか?」と聞かれ、質問の意味がよく分からないまま「はい」と答えてしまった外国人の方がいました。警察署で調べたところ、まったくの正規滞在者でした。理由を聞くと、「何を聞かれているのかよくわからなかったが何となく返事した」ということでした。

供述だけを根拠に逮捕することはありませんが、必要以上に何時間も拘束されることになります。日本語での細かいやり取りが難しいと感じたら、翻訳アプリを使う、日本語の分かる知人に電話で入ってもらうなど、正しく伝わる方法を取ってください。遠慮する場面ではありません。何より、自分にとって不利になり得ます。

新しい在留カードを知らず、誤認逮捕された事例があります

2026年6月には、都内で職務質問を受けた外国人が提示した在留カードのデザインに見覚えがないという理由で偽造を疑われ、入管法違反で現行犯逮捕されたものの、すぐに釈放されたとの報道もありました。

原因は、対応した警察官が、6月14日以降に交付されている新様式の在留カード(文字の太さや配置、色が変更されています)を把握していなかったことでした。こういった改正があれば、警視庁本部から警察署にも必ず注意喚起の指示が流れます。ただ、数ある分野の中の一つの改正が、普段入管法の事件を扱わない警察官全員にまで周知徹底されるのは実務上難しい面もよくわかります。(しかし、例え知らなくてもネット検索すれば、新様式の運用が始まっていることは容易に把握できる点が不思議でなりませんが)

これは100パーセント警察側の問題です。ただ、こういうことが現実に起きうると知っておいてください。制服の警察官が全員、入管法や在留カードに詳しいわけではありません。過去にも、カード裏面の「在留期間更新中」のスタンプを見落として逮捕してしまったケースを知っています。本人の側でも正しく説明できることが、すごく大事になってくるのです。

偽名を名乗っても、必ず分かります

身分証を何も持っていないことをいいことに、架空の氏名や生年月日を答える者もたまにいます。しかし、架空の名前であれば出入国記録の結果に出てきませんし、上陸審査の際に個人識別情報(指紋と顔写真)の提供を受けている外国人であれば、その記録と照合されます。騙し通せるものではありません。

残るのは「虚偽の申告をした」という記録であり、検察官の心証を悪くするだけです。

5.よくある勘違い|コピー、スマホ画像、預かり証、近所のコンビニ

現場でよく出てきた「これなら大丈夫だと思った」を、まとめて整理します。

持っていたもの・状況 結論
在留カードの原本 問題なし。その場で終了
在留カードのコピー 携帯義務違反。認められません
スマートフォンで撮影した画像 携帯義務違反。認められません
パスポートのみ(在留カードは自宅) 在留カードの携帯義務違反
在留カードのみ(パスポートは自宅) 問題なし
更新等で預けていて「預かり証」がある 基本的に問題になりにくい
自宅からすぐ近くのコンビニ 距離は関係なく携帯義務違反

携帯義務は、カードそのものを持っていることを求めています。コピーや画像で足りるとされるケースは、まずありません。

在留期間の更新などのために、行政書士や学校、勤務先に原本を預けている場合は、預かり証などの書面をもらっていることが多いと思います。これを携帯していれば、基本的に問題になることはありません。もっとも、条文上は原本を携帯していない状態であることに変わりはなく、預かり証があれば違反にならないと明記された規定があるわけではありません。あくまで、やむを得ない事情を説明できる材料があるかどうか、という話です。

ただし、この書面の存在自体を知らない警察官も多くいますので、確認に時間がかかることは想定しておいてください。原本を預けるときは必ず預かり証を受け取り、外出時にはそれを持ち歩く。ここまでをセットにしてください。

なお、偽造在留カードや他人名義の在留カードを持っている場合は、不携帯とはまったく次元の違う話なので、今回は取り上げません。

▶ 偽造カードや貸し借りのリスクは、こちらの記事で解説しています

関連記事:持ち歩かないとどうなるか ▶
関連記事:採用時、カードのどこを見るか ▶

6.【企業向け】会社が在留カードを「預かる」のが、いちばん危ない

ここからは、企業のご担当者向けです。

保管した瞬間から、その社員は24時間、違反状態になります

「なくすと困るから会社で預かっておく」「寮でまとめて管理する」。最近はさすがにほぼ聞かなくなりましたが、以前はよくあった話です。実習生などを縛り付ける目的だけでなく、むしろ親切のつもりで行われていることもあります。

しかし、携帯義務を負っているのは本人です。会社が原本を預かってしまった時点で、その社員は日常生活の間、ずっと不携帯の状態でいることになります。会社が、社員に法令違反のリスクを負わせ続けている、ということです。

育成就労・技能実習では、法律で明確に禁止されています

技能実習法第48条第1項は、「技能実習を行わせる者若しくは実習監理者又はこれらの役員若しくは職員は、技能実習生の旅券又は在留カードを保管してはならない」と定めています。2027年に始まる育成就労制度でも、育成就労外国人の保護に関する禁止行為として、旅券・在留カードの保管等が同じく禁止されています。

これらの制度以外の在留資格でも、考え方は同じです。「禁止規定が明示されていないから許される」という話ではありません。

会社が持つべきなのは「写し」と「記録」です

必要なのは原本ではなく、確認した事実の記録です。

在留カードの表裏の写しを取る(就労制限の有無、資格外活動許可欄を含む)
確認した日付と、確認した担当者名を残す
在留期間の満了の日を管理台帳に載せ、期限の3か月前に動き出す
新様式では「在留期間」等が券面に印字されないため、出入国在留管理庁の読取アプリや、在留カード等番号失効情報照会を併用する

原本は本人の手元に。会社が持つのは写しと記録。これが正常な運用です。

在留カードの管理、いまの社内ルールで大丈夫ですか

原本を預かっていないか、確認の記録が残っているか、期限管理は動いているか。まずは現状を点検するところからご相談ください。

無料相談を申し込む ▶

7.【企業向け】社員が警察署に連れて行かれたら|初動と社内ルール

連絡を受けたときに、会社がすべきこと

まず、慌てて雇用の話にしないことです。在留カードの不携帯は、それ自体が在留資格を失わせるものではありません。

本人または警察から、どこの警察署にいるのかを確認する
在留カードの原本や写しが会社にあるなら、その事実を伝える
本人が日本語での説明に不安を抱えていそうなら、通訳できる社員の同行や電話での通訳を申し出る
当日の欠勤・遅刻の扱いは、感情ではなく就業規則に沿って決める

やってはいけないのは、事実関係が分からないうちに自宅待機や退職勧奨をすることです。不携帯だけであれば、多くの場合その日のうちに戻ってきます。

不携帯が起きやすいのは、出張・社用車・寮

社内で起きやすい場面には、はっきりした傾向があります。

出張や現場移動で、いつもと違う荷物・服装になったとき
社用車での配送や営業で、そのまま生活圏の外に出るとき
寮生活で、部屋に置いたまま外出する習慣がついているとき

先ほど述べたとおり、生活圏の外に出るときほど現場では厳しく見られます。この3つの場面に絞って声掛けをするだけでも、リスクはかなり下がります。

社内ルールに落とすためのチェックリスト

在留カードの原本を会社や寮で預かっていないか(預かっていれば直ちに返却)
採用時に、常時携帯義務があることを本人に説明し、記録を残している
在留カードの表裏の写しと、確認日・確認者を記録している
在留期間の満了の日を台帳で管理し、期限前に動く運用になっている
出張・社用車利用の際の携行品チェックに、在留カードを入れている
原本を第三者に預ける場合は預かり証を受け取るよう、社員に周知している
警察署への同行を求められた場合の社内連絡ルートを決めてある

なぜ、会社がここまでやるのか

不携帯そのもので会社が罰せられることはありません。ですが、在留管理に無関心な会社は、他の場面でも必ず穴が空きます。在留期限切れに気づかず就労させてしまえば、不法就労助長罪(入管法第73条の2)の問題です。現行の法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金ですが、2027年4月1日からは5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げられます。

社員に在留カードを持たせるという当たり前の運用ができている会社は、確認体制そのものが整っている会社です。逆もまた同じです。

▶ 「知らなかった」が通用しない理由は、こちらの記事で詳しく解説しています

関連記事:知らずに雇った会社も罰せられます ▶

8.不携帯の罰金は、ビザの更新や永住に影響しますか

正直にお答えすると、「気にしなくてよい」とは言えません。更新や変更の審査では素行が見られますし、罰金であっても前科は前科です。申請書の「犯罪を理由とする処分を受けたことの有無」欄に記載する必要があり、審査でプラスに働くことはありません。

一方で、過度に恐れる必要もありません。2027年4月1日に施行が予定されている改正入管法(令和6年法律第60号)の永住許可制度の見直しについて、出入国在留管理庁は、永住者の入管法上の義務違反を取消事由とする改正(改正後の入管法第22条の4第1項第8号)に関し、「うっかり在留カードを携帯しなかった場合や在留カードの有効期間の更新申請をしなかった場合」に取り消すことは想定していないと明言しています。

問題視されるのは「うっかり」ではなく、正当な理由なく繰り返す姿勢のほうです。一度の不携帯で日本にいられなくなる、という話ではありません。ただし、繰り返して事件化され、罰金前科がつき、そのうえ届出義務違反も重なっている——という積み上がり方をしたときに、審査は確実に厳しくなります。

企業の方が見落としやすいのは、ここです

警察署で取り扱ったことを、警察からわざわざ勤務先に連絡することは通常ありません。不携帯で警察署に行ったようなケースでは、企業の担当者は、知ろうとしない限り把握できないということです。しかし、在留資格の更新をするうえで、まったく知らなければ対処のしようがありませんし、申請後に「本人が適当に嘘をついていた」では手遅れになってしまう可能性もあります。日頃からよくコミュニケーションをとることと、行政書士などの専門家にいつでも相談できる体制を作っておくことをおすすめします。

「うちの体制は大丈夫だろうか」と思われたら

在留カードの確認方法、記録の残し方、期限の管理、社員への周知。どこか一つでも「決まっていない」と感じたら、その部分だけでもご相談ください。何かが起きてから整えるより、平時に整えるほうが圧倒的に手間もコストもかかりません。
顧問としての継続的なご相談にも対応しています。

お問い合わせフォームはこちら(24時間受付) ▶
外国人雇用の企業サポートを見る

9.よくある質問|在留カードの携帯義務について

Q1.16歳未満の子どもも持ち歩く必要がありますか?

いいえ。16歳未満の方に在留カードの携帯義務はありません(入管法第23条第5項)。特定在留カード(マイナンバーカードと一体化した在留カード)に切り替えた場合も同じです。

ただし16歳になった時点で、通常の中長期在留者と同じ携帯義務の対象になります。特定在留カードも在留カードですので、16歳以上であれば常時携帯義務があります。「マイナンバーカードだから持ち歩かなくてよい」という誤解には注意してください。

Q2.すでに社員の在留カードを預かっています。どうすればよいですか?

直ちに本人に返却してください。そのうえで、表裏の写しを取り、確認日と確認者を記録に残す運用に切り替えます。

返却の際は、「これまで会社で預かっていたが、法律上は本人が常に携帯する義務があるため返却する」と理由を説明し、あわせて携帯義務についても周知してください。黙って返すだけでは、また同じことが起きます。

Q3.社員が不携帯で警察署に行きました。会社に入管への届出義務はありますか?

生じません。在留カードの不携帯は会社の届出事由ではありませんし、在留資格そのものが失われるわけでもないからです。

会社がすべきなのは、届出ではなく、事実の確認と再発を防ぐ運用の見直しです。なお、社員が逮捕されるなど事態が重い場合の対応は、逮捕の当日から、会社は何をすべきかにまとめています。

10.まとめ

在留カードの不携帯は、20万円以下の罰金が定められた法律違反です。しかし、この記事でお伝えしたかったのは、罰則の重さそのものではありません。

不携帯が発覚すれば原則として警察署への同行を求められ、正規に在留していると確認できても、解放まで最低2時間はかかります。生活圏の外だった、繰り返している、説明に矛盾がある。そうした事情が重なれば、不携帯だけでも事件になります。

日本人が運転免許証をうっかり持たずに出てしまうことは、たまにある話です。ただ、現場の肌感覚としては、外国人の方が在留カードを携帯していない割合のほうが、はるかに高いと感じます。(統計などの数字はなく、あくまでも感覚です)

その国の法やルールを守るという規範意識を持つことが、他国で長く生活していく上で欠かせないものであり、そして、それを正しく導くのが、雇用する企業であり、受け入れる学校の役目ではないかと思います。

外国人雇用のコンプライアンスでお困りの企業の方へ

次のような企業のご担当者は、ご相談ください。

在留カードを会社や寮で預かってしまっていて、その後の対応がわからない
外国人社員が警察署で取り扱われたが、ビザの申請に影響はないか心配
採用時の在留カード確認を、記録に残る社内ルールとして整えたい
最近、外国人の在留関連の改正が多くついていけないが、違法状態になっていないか心配
外国人の新入社員向けに、在留カードの携帯義務などのルールを教えたい

在留カードの管理から、社内ルールづくりまで

当事務所では、元警視庁入管法捜査員としての経験をもとに、在留カードの確認方法と記録の残し方、在留期限の管理、社員への周知の仕方まで、実務に落とせる形でご案内します。
まずはご相談ください。

無料診断を申し込む ▶
お問い合わせフォームはこちら(24時間受付)
外国人雇用の企業サポート(在留管理体制づくり)を見る

料金案内を見る | サービス一覧を見る | 当事務所の強み

【法令・情報の根拠】

※本記事は2026年8月時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。現場での取扱いは事案ごとに異なり、記載した実務の流れは筆者の経験に基づくものです。法令および運用は変更されることがありますので、実際の対応にあたっては最新の公式情報をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

次に読む記事

在留カードの携帯義務と14日以内の届出|違反したらどうなる?

制度の全体像と、届出義務のほうをまとめています。

外国人従業員が逮捕されたら|会社の初動対応と入管への届出

不携帯より重い事態になったときに、会社が最初にすべきことです。

この記事を書いた人

TAMAフロンティア行政書士事務所 代表

毛呂 敦(もろ あつし)

行政書士 毛呂敦 入管業務を専門とする行政書士。警視庁で約20年間勤務し、うち約10年を国際捜査官として入管法実務に従事。現場で得た知見を活かし、東京・多摩地区(ご相談場所は立川駅)を拠点に、外国人のビザ申請と企業の外国人雇用をサポートしています。
行政書士(登録番号 第26081692号)
外国人雇用管理主任者
元警視庁 国際捜査官
TOPIK(韓国語能力試験)上級
技能実習監理責任者講習 受講済



Return Top