ビザの申請書に交通違反は書く必要がある? ― 赤切符は必須・青切符は要注意の理由
元入管法捜査員の行政書士が解説
ビザの申請書に交通違反は書いた方がいいの?
在留資格の更新・変更を控えていて、「過去の交通違反や罰金を申請書に書くべきか」と迷っている外国人の方へ。書くべきものとそうでないものの線引きを、取り締まる側・審査される側の両方を見てきた立場から、やさしく整理します。
※本記事は一般的な解説です。個別のケースは行政書士などの専門家にご相談ください。条文・様式・運用は変わることがあるため、申請前に必ず出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。
はじめに ― 「書いたら不許可になりそうで怖い」あなたへ
ビザ(在留資格)の更新や変更を控えた外国人の方から、こんな声が聞かれることがあります。
「2年前にスピード違反で切符を切られました。申請書に書かないといけませんか」
「交通違反でお金を払いましたが、交通違反は『犯罪』ではないですよね?」
「正直に書いたら不許可になりそうで怖いです。黙っていてもバレませんか」
気持ちはよくわかります。せっかく日本での生活が軌道に乗ってきたのに、過去の小さな失敗のせいで在留資格を失うかもしれない ― そう考えたら、なるべくなら書きたくないのが人情です。
しかし、この不安の多くは、「そもそもこの欄が何を聞いているのか」を正しく知れば解消できます。
先に結論をお伝えします。
▶ 申請書のこの欄が申告を義務づけているのは、「刑罰(刑事処分)」です。
▶ 交通違反でいえば、赤切符から罰金になったようなケースは必ず書きます。
▶ 一方、青切符(反則金)は刑罰ではないため、この欄の記載義務の対象ではありません。
▶ ただし、「では青切符は完全に無視していいのか」というと、そこには少し注意が必要です。
私は行政書士になる前、警視庁の警察官として約20年間勤務し、そのうち約10年間は入管法違反事件の捜査に従事してきました。取り締まる側と審査される側、両方の現場を見てきた立場から、この「書くべきか、書かなくてよいか」の線引きを、できるだけわかりやすく整理します。
【はじめにお断り】この記事は「入管へのビザ(在留資格)申請」に限った話です
同じ外国人の手続きでも、日本国籍を取得する「帰化申請」は前提が異なります。帰化申請では、運転免許をお持ちの方は、はじめから過去5年分の運転記録証明書を提出することが必要書類として求められます(法務省「帰化許可申請のてびき」)。つまり帰化では、交通違反歴は最初からすべて審査の対象です。
▶ 帰化の必要書類や条件は、法務省の公式ページで確認できます(運転記録証明書を含む提出書類の一覧も案内されています)。 法務省「帰化許可申請」ページを見る
申請書の『犯罪を理由とする処分を受けたことの有無』欄とは
まず、この話が申請書のどの部分のことを言っているのかということですが、在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請のいずれの様式にも、共通して次の欄があります。
犯罪を理由とする処分を受けたことの有無(日本国外におけるものを含む。)※交通違反等による処分を含む。
Criminal record (in Japan / overseas) *Including dispositions due to traffic violations, etc.

この欄には、見落としやすい点が二つあります。
一つは、日本国内の処分だけでなく、母国など日本国外で受けた処分も対象だということ。もう一つは、申請書の末尾に必ず「申請書に事実に反する記載をしたことが判明した場合には、不利益な扱いを受けることがあります」という注意書きがあることです。つまり、事実と違う記載をすることについて、様式上ではっきりと警告を発しています。
では、この欄でいう「犯罪を理由とする処分」「交通違反等による処分」とは、具体的に何を指すのか。ここを正しく理解することが、迷いをなくす第一歩です。
本記事のポイント(先に結論)
| 項目 | 押さえるべきこと |
|---|---|
| この欄が求めているもの | 「犯罪を理由とする処分」=刑罰(罰金・拘禁刑など)。交通違反でも、赤切符から罰金になったものは含まれます。 |
| 罰金(赤切符・略式命令) | 刑事罰で前科がつきます。必ず「有」と記載。 |
| 反則金(青切符) | 行政上の制裁金で刑罰ではありません。この欄の記載義務の対象外で、「無」と答えても通常は虚偽になりません。 |
| 隠した場合 | 刑罰を隠して許可を受けると、在留資格の取消し(入管法第22条の4)につながり得ます。不実記載による取消しは、申請人に故意がなくても対象になり得ます(同条第1項第3号)。 |
| 青切符は無視していい? | 記載義務はありませんが、累積すると素行の評価に影響することがあります。特に永住申請では要注意。まず自分の違反を正確に確認しましょう。 |
1. 『犯罪を理由とする処分』とは — 交通違反との関係を整理
申請書のこの欄を正しく埋めるには、二つの言葉の意味を押さえるのが近道です。
「犯罪を理由とする処分」とは
これは、罪を犯したことを理由に科される刑罰(刑事処分)のことです。具体的には、死刑、拘禁刑(2025年6月に懲役・禁錮が一本化された自由刑)、罰金、科料などがこれにあたります。
ポイントは、「刑罰かどうか」です。行政機関が科す制裁金でも、刑罰にあたらないもの(後で説明する反則金など)は、ここでいう「犯罪を理由とする処分」には含まれません。
「交通違反等による処分」とは
申請書には、この欄にわざわざ「※交通違反等による処分を含む」という注記が付いています。
これを見て「交通違反はぜんぶ書け、という意味だ」と受け取る方が多いのですが、正確には違います。この注記は、あくまで「犯罪を理由とする処分」にかかっています。つまり、
交通違反であっても、それが刑罰(罰金など)になったものは、犯罪を理由とする処分に含まれますよ
という念押しなのです。「交通違反だから犯罪ではない、書かなくていい」と自己判断して刑罰を書き漏らす人が多いため、あえて注意書きが添えられている、と理解するとしっくりきます。
裏を返せば、刑罰になっていない交通違反(反則金だけで終わったもの)は、この注記の対象ではないということになります。
2. 「反則金(青切符)」と「罰金(赤切符)」は別物
ここが今回の記事のいちばんの肝です。交通違反でお金を払った経験があっても、それが「反則金」なのか「罰金」なのかで、法律上の意味はまったく変わります。
反則金(青切符)= 行政上の制裁金。前科はつかない
信号無視、一時不停止、軽度のスピード違反などの比較的軽い違反は、「交通反則通告制度」という仕組みで処理されます。警察官から青色のキップ(交通反則告知書)を渡され、期限内に反則金を納付すれば、その違反について刑事裁判にかけられることはありません。つまり、反則金は刑罰ではなく、前科もつきません。
刑罰ではない以上、反則金は「犯罪を理由とする処分」にあたりません。したがって、反則金だけで終わった交通違反は、この欄への記載が必須とはいえず、「無」と答えても通常は虚偽の申告にはなりません。
罰金(赤切符・略式命令)= 刑事罰。前科がつく
一方、無免許運転、飲酒運転、大幅なスピード超過などの重い違反では、赤色のキップが交付され、刑事手続に進みます。多くの場合は「略式命令」という簡易な裁判手続で罰金が科されますが、略式でも刑事罰であることに変わりはなく、前科がつきます。
「裁判所には行っていないから大丈夫」と思っている方が本当に多いのですが、略式命令による罰金は立派な刑事処分です。これは「犯罪を理由とする処分」にあたるので、必ず「有」と記載してください。
なお、赤切符を切られても、その後の捜査で不起訴になった場合は、刑罰を受けていないため前科にはならず、この欄も「無」で整合します(ただし、事案によっては経緯を説明しておいたほうがよい場合もあります)。
まとめると
| 反則金(青切符) | 罰金(赤切符・略式命令) | |
|---|---|---|
| 法的性質 | 行政上の制裁金 | 刑事罰 |
| 前科 | つかない | つく |
| この欄への記載 | 記載義務の対象外(「無」で整合) | 必ず「有」 |
3. では、青切符は完全に無視していいのか
「反則金は書かなくていい」と聞くと、「じゃあ青切符は一切気にしなくていいんだ」と考えたくなります。ここは少し立ち止まってください。記載義務がないことと、まったく無関係であることは、別の話だからです。
理由は三つあります。
① 自分の切符を勘違いしている危険
実務上で最悪の落とし穴がこれです。「自分は青切符(反則金)のつもりだったが、記録を見たら実は罰金だった」というケースは珍しくありません。「反則金だから書かなくていい」という判断は、それが本当に反則金である場合にだけ正しいのです。そうでなかった場合、あなたは虚偽の申告をしたとみなされてしまいます。
② 素行の評価に響くことがある
更新や変更の審査では「素行が不良でないこと」も考慮されます。反則金一つひとつは軽微でも、短期間に何度も繰り返しているような場合には、生活態度としてマイナスに見られることがあります。
③ 永住や帰化申請では特に厳しく見られる
永住や帰化許可申請では、素行が善良であることがより厳格に問われます。反則金レベルの違反歴であっても、運転記録全体を確認されることがあります。今回の更新・変更が、将来の永住や帰化審査の土台になる点も意識しておきたいところです。
だからこそ、まずやるべきは自分の違反歴を正確に把握すること。その最も確実な方法が、次に説明する「運転記録証明書」の取得です。
4. まず自分の違反を確認しよう ― 運転記録証明書の取り方
「昔のことで、いつ・どんな違反をしたか覚えていない」という方が多いと思います。日本で暮らす外国人の方が、これまで運転記録証明書を取ったことがないのは、むしろ普通のことなので、ここで取得の流れを一通り説明します。
運転記録証明書とは
過去5年・3年・1年のいずれかの期間について、交通違反・交通事故・運転免許の行政処分の記録を証明する公的な書類です。発行しているのは警察署ではなく、自動車安全運転センターという機関です(警察署では発行していません)。自分の違反歴を客観的に確認する手段として最適です。
なお、名前がよく似た書類が二つあるので、取り違えにご注意ください。一つは「運転経歴証明書」で、これは運転免許を自主返納した方に交付される身分証明書のようなもの。もう一つは「運転免許経歴証明書」で、こちらは過去の免許の取得・失効といった免許そのものの経歴を証明するものです。どちらも違反歴を示す書類ではありません。今回必要なのは「運転記録証明書」のほうです。名前がとても似ているので、申込用紙で証明書の種別を選ぶ際は、チェックする欄を間違えないようにしましょう。
申込みの方法は3つ
申込用紙は、警察署・交番・駐在所、または自動車安全運転センターの事務所に備え付けられています(様式は都道府県ごとに異なります)が、経験上の感覚としては、交番・駐在所には置いていないことも多々あり、パトロール中で閉まっていることも珍しくないので、警察署に行くのが間違いないと思います。氏名欄は本人が自署し、押印は不要です。免許証番号の記入欄があるので、免許証を手元に用意しておきましょう。そのうえで、次の3つのいずれかで申し込みます。
①ゆうちょ銀行・郵便局から申し込む:申込用紙に記入し、手数料を添えて最寄りのゆうちょ銀行・郵便局で払い込みます。※この払込みはゆうちょ銀行・郵便局に限られ、一般の銀行やコンビニの店頭ではできません。別途、払込料金がかかります。
②自動車安全運転センターの事務所窓口で申し込む:各都道府県の事務所窓口で直接申し込めます(本部では受け付けていません)。
③インターネット(専用アプリ)で申し込む:NFC対応スマートフォンで免許証のICチップを読み取って申請します。本人限定・免許証記載の住所限定などの条件があります。この場合は、手数料の支払いをコンビニ(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート等)や、金融機関のペイジー・ネットバンクで行えます。
手数料は1通800円(消費税非課税。令和7年〈2025年〉10月1日に改定)です。インターネット申請の場合は、これに加えて払込手数料が1通143円かかります。いずれの方法でも即日交付はされず、申込みからおおむね1〜2週間かかります。受け取り方は、郵送で受け取るか、自動車安全運転センターの事務所窓口で直接受け取るかを選べます。なお、インターネット申請の場合は、運転免許証に記載された住所への郵送に限られます。
▶ 申込方法・最新の手数料などの詳細は、随時変わることもあるので、発行元である 自動車安全運転センター「運転経歴に係る証明書」 の公式ページをご確認ください。
取得するときのコツ
✓迷ったら5年分を選べば、直近5年の違反歴をまとめて確認できます。
✓免許を取ってからまだ5年経っていない方でも、「5年分」で請求して問題ありません。免許取得日からの記録が出るだけで、期間が足りないと不審に思われることはありません。
✓証明書には有効期間(おおむね数か月程度)の扱いがあり、入管に提出する場合も発行から日が浅いものが望まれます。申請の直前に取るのが安全です。
✓そもそも運転免許を持っていない・運転しない方には、この確認は不要です。
記録を見て「青切符(反則金)だけだった」とわかれば、欄は「無」で問題ありません。「罰金があった」とわかれば、「有」と記載して次の準備に進みます。
5. 元捜査員の助言 — 交通違反歴は隠さず『自分の言葉』で伝える
書くべき刑罰(罰金など)をあえて隠すのが不利になるのは、いわば当然のことですが、少しだけ触れておきます。
逮捕や刑事処分の記録に関し、入管や法務局は審査にあたって照会を行います。どういうルートでどこまで照会を行っているか、申請の種類ごとに照会内容が異なるのかは私も知りませんが、あなたの過去の犯罪歴・違反歴は、黙っていても審査のテーブルに乗っていると考えたほうがよい、というのが捜査の現場を知る者としての実感です。隠して許可を受けても、後で発覚すれば在留資格の取消し(入管法第22条の4)につながり得ます。隠すことは、ハイリスクなのに得るものが何もないのです。
では、青切符(反則金)の違反があるとき、どうすればいいのか。
まず、欄の「有・無」は法的な性質どおりに書きます。罰金があれば「有」、反則金だけなら「無」です。そのうえで意識してほしいのは、細かい違反も含めて、あなたの記録は入管が把握し得る、ということ。だとすれば、隠すことにメリットはありません。むしろ、必要に応じて自分から説明を添えるほうが、はるかに得です。
たとえば、反則金だけで欄は「無」でも、違反の件数が少し多いなど、ネガティブに見られそうな事情があるとします。そんなときは、任意の説明書を一枚添えて、こう伝えるのです。
▶ なぜその違反をしてしまったのか
▶ その後、何を反省したのか
▶ 今は、どんなことに気をつけてハンドルを握っているのか
これを、テンプレートの言葉ではなく、自分自身の言葉で具体的に書く。審査官が見ているのは、「違反したかどうか」だけではありません。「その人が、これからも日本のルールを守って暮らしていけそうか」です。同じ違反歴でも、隠そうとする人と、正直に向き合って改善を語る人とでは、受ける印象がまったく違います。
正直に申告し、誠実に説明することは、単にマイナス面をさらけ出すものではなく、あなたの信用を積み上げる方法なのです。
6. 処分歴があっても、不許可とは限らない
ここまで読んで不安になった方に、大切なことをお伝えします。刑罰を受けたことがあること自体は、直ちに不許可を意味しません。
在留期間の更新や在留資格の変更は、法律上「適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り」許可される仕組みで(入管法第20条第3項・第21条第3項)、出入国在留管理庁のガイドラインでは「素行が不良でないこと」が考慮要素の一つとされています。ポイントは、これが総合判断だということです。
実務の感覚では、反則金を数回払った程度の軽微な違反歴が、それだけで不許可に直結することは通常ありません。罰金以上の刑事処分がある場合はマイナス評価を受ける可能性がありますが、その場合でも、前章でお伝えしたように、事実を正直に申告し、反省と再発防止を自分の言葉で説明することで、挽回できるケースは十分にあります。
万が一、不許可になってしまった場合の立て直し方は、下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ビザ申請と交通違反のよくある質問(Q&A)
Q1. 母国で受けた交通違反の罰金も書く必要がありますか?
はい。この欄は「日本国外におけるものを含む」と明記されており、外国で受けた刑罰も対象です。母国で罰金刑などを受けている場合は記載してください。証明資料をそろえにくいこともありますので、その場合は事実経過を簡潔にまとめた説明書を添えると審査が進みやすくなります。逆に、母国での違反が「反則金相当(刑罰ではない行政処分)」で終わっているのなら、日本の反則金と同じ考え方になります。処分の性質が刑罰かどうか判断に迷う場合は、専門家にご相談ください。
Q2. 何年も前の違反も書くのですか? 時効のように消えることはありますか?
この欄の申告に「過去何年前まで」という期間の限定はありません。国内外を問わず、犯罪を理由として処分を受けたことがあれば、古いものでも記載するのが原則です(出入国在留管理庁の案内による)。「もう何年も前だから消えているはず」という自己判断は避けてください。なお、運転記録証明書に載るのは直近5年分ですが、それより前の処分がなかったことにはなりません。記憶が曖昧な場合は、正確に確認したうえで記載しましょう。
Q3. 前回の更新で、うっかり罰金歴を書き忘れていました。今からできることはありますか?
まず、今回の申請から正確に記載することが第一歩です。過去に書いていなかった刑罰歴を今回きちんと申告することは、「ルールを守って生活していく」という意思表示にもなり、マイナスをむしろ挽回する材料になり得ます。ただし、なぜ前回書かなかったのか(制度を誤解していた等)を説明する文書を添えるのが安全です。ここは在留資格取消しのリスクにも関わるデリケートな場面ですので、自己判断で進める前に、必ず経験のある行政書士にご相談ください。
Q4. 申請してから結果が出るまでの間に、交通違反や罰金を受けてしまいました。どうすればいいですか?
在留期間の更新・変更の審査期間は、永住や帰化申請と比べればはるかに短いと言えます。とはいえ、この審査の途中で新たに処分を受けると、申請書に書いた内容と現在の事実がずれてしまいます。特に赤切符からの罰金など、刑事処分を受けた場合は、黙っているとかえって不誠実と受け取られかねません。提出先である地方出入国在留管理局に、事情を相談・報告しておくほうが安全です。反則金(青切符)だけであれば記載義務の対象ではありませんが、短期間に繰り返しているような場合は素行の面で気にされることもあります。いずれにしても、隠さないことが基本です。判断に迷うときは、結果が出る前に行政書士にご相談ください。
Q5. 青切符(反則金)を、払わずに放置していたらどうなりますか?
反則金は「納付すれば刑事手続にならない」制度です。裏を返せば、納付せずに放置すると刑事手続に移行し、起訴されて有罪になれば「罰金」(刑事罰)になり得ます。そうなると、それは「犯罪を理由とする処分」に該当し、申請書に「有」と記載すべき対象に変わります。「青切符だから大丈夫」と油断して未納のまま放置すると、結果的に前科がつくこともあるのです。切符を受け取ったら、期限内にきちんと対応することが、こうした事態を防ぐ何よりの方法です。
まとめ ― 正しく分けて、正直に書く
1申請書のこの欄が問うのは「犯罪を理由とする処分=刑罰」です。注記の「交通違反等による処分」も、交通違反が刑罰になったものを指します。
2罰金(赤切符・略式命令)は刑事罰。必ず「有」と記載してください。「裁判所に行っていないから大丈夫」は誤解です。
3反則金(青切符)は刑罰ではないので、この欄は「無」で整合します。書かなくても通常は虚偽になりません。
4ただし青切符も無関係ではありません。運転記録証明書で自分の違反を正確に確認し、累積や永住・帰化申請に注意しましょう。
5隠すことに意味はありません。入管はあなたの記録を把握し得ます。むしろ積極的に申告し、反省と現在の運転姿勢を自分の言葉で伝えるほうが、審査ではプラスに働きます。
6処分歴があっても総合判断です。誠実な申告と丁寧な説明が、最も確実な対策です。
交通違反歴の書き方に迷ったら、ご相談ください
「この違反は書くべきか」「説明書はどう書けばいいか」など、あなたのケースに合わせて整理します。
当事務所は、元入管法捜査員としての実務経験をもとに、申請書の記載チェックから理由書・説明書の作成までサポートします。
【法令・情報の根拠】
- 出入国管理及び難民認定法 第20条第3項・第21条第3項(在留資格の変更・在留期間の更新)、第22条の4(在留資格の取消し)
- 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(考慮要素として「素行が不良でないこと」等)
- 出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」解説(第3号は申請人の故意を要しない旨)
- 出入国在留管理庁 各在留諸申請書様式「犯罪を理由とする処分を受けたことの有無」欄、及び同様式の記載に関する注意書き
- 道路交通法(交通反則通告制度:反則金納付により当該違反について公訴が提起されない仕組み。反則金は刑罰ではなく前科もつかない)
- 自動車安全運転センター「運転経歴に係る証明書」(運転記録証明書の記載内容・申請方法・交付手数料。手数料は令和7年〈2025年〉10月1日改定)
※本記事の内容は執筆時点(2026年7月)の法令・公表情報に基づく一般的な解説です。制度・様式・運用は変更されることがあり、個別の判断は事案により異なります。申請の際は最新情報を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。
